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安定した「共依存」

 みなさん、こんばんわ。

 いま、春日武彦先生の「はじめての精神科第3版」を読んでいます。

 その中で「共依存」について出てくるんですが、ちょっとおもしろかったのでnoteに書きたいと思います。

 まずは共依存の定義の話が出るんですが、これがまた面白い。

共依存とは・・・困らされたり憎んだり、うんざりしつつもなお、その相手との密接な関係性を断ち切れないまま、延々と現状維持の不毛な人生を送っている状態。あえて言うなら腐れ縁。(春日先生の考える定義)

 この説明、なるほどなと思いました。

 「延々と」というのがポイント。

 これ、要するに「終わりがない」ってこと、エンドレスなんです。

 ある親子が居て、子供が精神疾患で病院につれていくと「入院が必要です。なんでもっと早く連れてこなかったんですか」という医師に対して、親としてのプライドを傷つけられ、今まで通り自宅で様子を見ようとする。けど、子供はどんどんと精神状態が悪くなる、でも、親は様子見である種の「甘え」を許す。するとそれがエスカレート。親はそれが耐えられなくなるも「子供を守るのは私」と子供の甘えを許していく・・・次第にどんどんと共依存関係が見られていく。春日先生の本の中には、親の介護のために退職した男性が介護をするもうまくいかず、ヘルパーを頼むけど、ヘルパーはお金で雇っている自分より下の人間だという目で見てしまい、仕事の様子を常に観察する。そういう陰性感情を持つことで母親に愛情を持つ。しかし母親は息子だからと要求がエスカレートしていく、でもそれに耐えられずヘルパーにお願いする、けど、ヘルパーはお金で雇われている憎むべき存在・・・とループしていくんです。

 (ここ、結構ストーリーを端折ってますので、気になる方はぜひ本をご購入ください)

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