サ活 かるまる0824完全版

2020年。後に…何の年と言われるだろうか。幻のオリンピックイヤー。コロナ元年。新しい世界の始まり。
正解はまだわからないが、ここに集う同士諸兄の中にはこう感じている方もいるだろう。
「禁サ法時代」と。

未知のウイルスに人類が取れる唯一の手段、それはソーシャルディスタンス。
出社までもが制限されたこの時代。そうして次々に奪われる我々のオアシス。
飲み会、カラオケ、個室ビデオ。むろん、サウナもである。
緊急事態宣言後も続く自粛ブーム。どこで接触するかわからないウイルス地雷原と化した都会。大手を振って「サウナに行く」と言いづらい時代。後ろ指をさされないために、我々が取った手段は何か。そう。そうだ。「闇サウナ」である。

闇サウナ、すなわち人目を忍んでゆくサウナ。SNSでの共有などもってのほかだ。フォロワーは自らに向けられた銃口とはよく言ったもの。密告者は何処にいるかわからないのだ。
怖がる対象がズレているとの誹りは受けて然るべきだ。返す言葉は3歳児と同じである。我慢できなかったんだもん。

そうして幾つかの闇サを、ここに記さず重ねてきた。すわ今夜も。だがしかし、今回だけは違った。ライトマイファイア。火がついてしまったのだ。薪サウナだけに。イエーイ。
いや、すみません。違うんです。ちょっとエクストラコールドとバニラアイスのマリアージュが余りにもハピネスチャージで。
いやあの、違うんです。違うんです。なんでしょうね。
もう、いいかなって。

短い夏休み。マイワイフがこう言ったんです。サウナ泊まってきていいよと。神か。

これまで幾度となく(4回)かるまるを訪れるも、家庭事情により19時の薪サウナスタート前に帰宅するばかりであった。
しかし今夜は違う。在宅ワークを終えた18:30、電車に飛び乗り向かう池袋。
テンポよく受付、着替え、脱衣、洗体を済ませ、高鳴る胸を押さえつつ1セット目はケロサウナ。熱の厚みに押されバシュッと発汗する。
熱シャワーからのトルネードサンダーに向かい合うと、ナムサン!スイオン=ケイは6.8度をマーク!絶え間ないコールドウォーターの激流が身体を襲う!
フラつきながら昇った夜の屋上テラスは、昼間の刺すような陽光と決別し、風だけが注がれる最高の空間と化していた。チル。そう、これがチル。

そして2セット目、待望の、念願の薪サウナだ。個人的にはあの日のテントサウナ以来の薪だ。
待合いで漂っていた、いい感じの薪の燃える香りは、サ室に入った途端に消えた。そうか、ストーブの排気は完全に別系統なんだな。少し残念だが、都市型施設であるので仕方がない。
室内の熱はかなりマイルドだ。暗さが心地よい。ストーブと席は横並びで直接は見えないが、足元目の前に黒ガラスが貼られ、それがストーブの火を反射し映し出す仕組みになっている。火を見つめながら、無音空間でじっと汗をかく。意識を身体の内に集め、身体の声をきく。
やがて時は熟しアクリルアバントへダイブ。再び見上げた夜空で星が「夜はこれからだぜ。あと、妻に感謝しろよ。」と語りかけてくれた。

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