自作の太陽熱調理器の理想

前回は、自作の太陽熱調理器2号機の作り方を説明した。本当は今回、その自作機に起きた悲劇を書く予定だったが、予定を変更して、私が理想とする太陽熱調理器について書きたい。

コンパクト

まずはコンパクトな太陽熱調理器を作りたい。家の中に置かれていて邪魔にならないサイズのものを作りたい。学生が住むような四畳半の部屋に置かれていても邪魔にならないサイズのものを作りたい。
具体的には、どこの家にも1個くらいはあるであろうカラーボックスの1段にすっぽり収まるくらいのサイズのものを作りたい。

小学生でも作ることができる

専門的な工具は一切不要。どこの家庭にでもあるような道具だけで作ることのできるものにしたい。そして、小学生でも作ることができるくらい、シンプルな構造にしたい。
仮に壊れたとしても、自分で簡単に直して使うことができるようにしたい。壊れたら捨てるのではなく、長く使うことはエコにつながる。
それに、自分で直して使えるようなものであれば、ひょっとしたら改良も自分でできるかもしれない。

制作費ワンコイン(500円)以内

まだまだ太陽熱調理器というものは知名度が低い。一人暮らしの家庭にでも、大家族の家庭にでも、どこの家庭にでもあるという状態にするには、安いことも大切な要素である。そこで500円(ワンコイン)で作ることができることを目指している。仮に500円なら、万が一失敗したとしてもそんなにガッカリしないで済むだろう。
まぁ特別な素材を使わなければ余裕で500円を下回ることは可能だとは思うのだが。

毎日の生活に根付いたもの

今のところ上記3点の理想はそれほど難しいとは感じないが、最後に挙げる「毎日の生活に根付いたもの」というのが一番ハードルが高いと感じている。

例えば一人暮らしの学生が、朝、ゴミ出しをするついでに太陽熱調理器をベランダにでも出しておく。そして夕方に帰ってきたら、ベランダに出しておいた太陽熱調理器の中には、すぐに食べられる美味しい料理が出来上がっている。
あるいは、夜勤明けで帰ってきた人が、とりあえず太陽熱調理器を日の当たる場所に出してから寝る。目を覚ますと、太陽熱調理器の中には、すぐに食べられる美味しい料理が出来上がっている。
そんな状態が理想である。

太陽の熱は、誰もが無料で使える資源である。熱を熱として使う分には二酸化炭素も出さない、極めてクリーンなエネルギーである。
残念ながら今の日本では環境庁ですらエコポイントなどの対象として太陽熱を含めていない。屋根にソーラーパネルは見かけるものの、太陽熱温水器が乗った家はレアになってしまった。
正直、私は政府になんか期待していない。助成金なんて、なくてもかまわない。利潤の追求ばかりで自分達だけが勝てばよいという感じのメーカーにも期待しない。自分達でできることは自分達で行うほうが、下手に政府や企業がかかわるよりも良い結果になると思っている。ある意味で今の日本はアナーキーだと思う。
だからこそ、私は自分が開発する太陽熱調理器については、無償で情報公開する。使いたい人が使ったら良いと思っている。このnoteについても投げ銭は不要である。確かにお金は便利だが、お金をもらうよりも実際に「やってみて良かった」と思われるほうが意味があると思う。

前回、金曜日に、私の自作2号機の作り方を書いたものを公開した。お天気にもよるが、この土日で実際に同じように作って太陽熱調理器でお湯を作ってインスタントコーヒーでも飲む人が出てきてくれたらと思う。この土日が来週の土日でもいい。

楽しい週末を!
そして楽しい人生を!

次回予告

私の理想とする太陽熱調理器は、コンパクトで簡単に作ることができて、お手軽なお値段で、使い勝手が良く、日々の生活に根ざしたものである。前回紹介した自作2号機は、まさにそんな感じになっている(出力は弱いが)。
本当は前回、自作機に起きた悲劇を書くと予告していたので、次回こそ、その悲劇を書く。

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