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一票の格差にピリオドを打つ簡単な方法

「一票の格差」を巡る裁判のニュースが流れるたびに思っていたことを書きたい。

まず、裁判は時間もお金もかかる。訴えている人はまぁ、よくも毎回毎回、面倒臭がらずに訴えるものだ。

既に行われた選挙における一票の格差をウダウダ言うのは、後出しジャンケンみたいでカッコ悪いと私は思う。なんで選挙する前に「このまま実施したら格差が激しいから一旦ストップ!」と訴えないのだろうか。
もっと言えば、二度と「一票の格差」が起きない方法(仕組み)を考えたら良いのに…と思ったら、実際に簡単な方法があることに気付いた。

簡単な方法

それは、「人口の比率に応じて『一票の重み』を変える」というものである。どういうことか、次にシンプルな例で説明する。

選挙区がAとBの2個しかなく、それぞれの選挙区から1名の当選者が出るとする。ところがAの人口が1万人なのにBの人口が10万人だとする。
このとき、Bの有権者1人あたりの『一票の重み』をAの有権者1人あたりの『一票の重み』の10倍あるものとする。そのため、当選者が議決権を行使する時、Aの当選者は議決権1であるのに対しBの当選者の議決権は10あるものとする。

この方法に期待すること

「一票の格差」を訴える人は、地域のことしか見ていない。
正直、地域は引っ越すことができる。しかしどんなに頑張っても変えようのないものによって引き起こされている格差にも目を向けてもらいたい。その典型が生まれた年だろう。

年代別の格差にも対応できる

内閣府によると、2019年の日本の人口のうち、3,589万人が65歳以上の高齢者である。この年の参院選における有権者は1億658万人なので、有権者の33%が高齢者である。それに対して30歳未満の有権者は有権者全体の10%ほどしかない。
そこで例えば30歳未満の有権者の『一票の重み』を65歳以上の有権者の『一票の重み』の3倍に設定する。比例代表選挙の場合、30歳未満の有権者1人の票をもらった候補者は、65歳以上の高齢者から3票もらった候補者と同数の票を取ったことになる。

得票数が同数でも問題ない

この「一票の重み」という方法の良いところは、重み付けされた票の数が同じ時に決選投票のようなことをしなくて良いということである。
上の例であれば、どちらの候補者も確かに同じ3票しか取っていない。でも、かたや1人、かたや3人から票を得ている。そこで、より多くの人から票を得たほうの候補者を当選者にしたら良い。

まとめにかえて

「票に重み付けをしたら一票の格差は解消できる」ということを今回は書いた。この「重み付け」という考え方それ自体は目新しいものではなく、理系の人なら頻繁に使う考え方だと私は思う。
恐らく最初に「重み付け」について習うのは小学校の算数に出てくる「逆比」ではないだろうか。もちろん小学校ではそんな「重み付け」という言葉それ自体は習わないが、やっていることは同じである。考え方としては小学校の算数レベルである。
政治家さんは街頭演説やら議会での質疑やら何かと「話す」ことに力を入れているようである。有名な大学の弁論部出身の政治家さんも多いのは、そのせいかもしれない。
ただ、政治家さんの本当の仕事は法律を作ることである(地方自治体だと法律ではなく条例だけど)。法律やら条例という「仕組み」を作るのが仕事である。
今回、私は小学生でもわかる「仕組み」を使って一票の格差を解消する方法を示した。私は政治には疎いので、今の政権で何本の法律が成立したか知らないが、政治家の皆様には是非とも効果的な「仕組み」を作っていただきたいものである。
政治家さんだって、当選したものの毎度毎度やれ一票の格差だと裁判されては、面白くないと思うのです…いい加減ピリオド打ちませんか?

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