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「グローバルテクノロジーガバナンスレポート2021」(日本語訳)発行!

第四次産業革命に求められるテクノロジーガバナンス

2021年3月2日、デロイト トーマツ グループにより、世界経済フォーラムがデロイトと協働で制作したレポート「Global Technology Governance Report 2021(2020年12月発行)」の和訳要約版が発行されました。

■世界経済フォーラム第四次産業革命日本センターでは、2020年12月に原版の読書会を行っています⇩

レポート本編は、世界経済フォーラムが2021年4月6日から7日にかけて、第1回グローバル・テクノロジー・ガバナンス・サミット(Global Technology Governance Summit: GTGS)を東京で開催するにあたり、同サミットにおいて議論の焦点となる内容についてまとめています。

■GTGSについて紹介した記事はこちら⇩

パンデミック以前から存在していたテクノロジーのガバナンスギャップ

このレポートは、第四次産業革命テクノロジーの活用方法と、対処すべきガバナンスの課題を検討するためのハンドブックです。位置づけについて冒頭では、以下のように紹介されています。

「新興技術の全体像の分析を提供することを目的としたものではなく、代表的な4IR(第四次産業革命)テクノロジーの活用可能性およびそれらのガバナンスを行う上で考慮すべき複雑性を検証したものです。」

議論の出発点は、代表的な4IRテクノロジーである人工知能(AI)、モビリティ(自動運転車を含む)、ドローン、ブロックチェーン、IoT(Internet of Things)のガバナンスの課題に着目したこれらの5つのテクノロジーに共通した、デロイトの分析に基づく8つのガバナンスギャップ。注目すべきは、「以下の課題の多くはCOVID-19以前から存在するものだが、パンデミックとその余波により、そうした課題に対する緊急性が一層高まった」という指摘です。

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革新的なガバナンスの枠組み

レポートは以上の体系的な分析を踏まえ、こうしたギャップの緩和・解消に向けて積極的に活用すべきテクノロジーガバナンスの方向性が、6つの革新的なガバナンスの枠組みとして提示。官民連携の重要性アジャイルな規制の必要性など、4月のグローバル・テクノロジー・ガバナンス・サミット(GTGS)で焦点となる論点が解説されており、政府・公共サービスセクターが積極的に活用すべきテクノロジーガバナンスの道筋を示すものとなっています。

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テクノロジーの活用を持続可能な取り組みとして浸透させるために

第四次産業革命のさまざまな新技術は、社会の進歩と経済的価値をもたらすと同時に、意図しない有害な結果を生み出す可能性を秘めています。ポストコロナ時代のより公正な社会システムの構築に向けて、2021年9月に「デジタル庁」を発足させることを盛り込んだ、デジタル改革の基本方針が閣議決定された日本。デロイト トーマツ グループの香野氏は、第四次産業革命テクノロジーの活用を単発で終わらせず、持続可能な取り組みとして世の中に浸透させていくためには、「住民や利用者からの『信頼』を獲得することが非常に重要」だと綴っています。第四次産業革命テクノロジーの潜在能力を十分に発揮するため、官民両セクターは対処すべきガバナンスの課題に率先して目を向けることを求められるでしょう。

この論点は今後、4月のグローバル・テクノロジー・ガバナンス・サミット(GTGS)に引き継がれ、400以上の政府、企業、学術機関、国際機関で構成された第四次産業革命センターネットワークの活動成果をベースに、世界最大のマルチステークホルダー会議として政府、企業、市民社会、スタートアップ、学界からの代表者とともに議論されます。多くのセッションがインターネット配信され、noteにて注目セッションのハイライトをレポートする予定です。ぜひ今後の発信をお見逃しなく!👀

執筆
世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター
大原有貴(インターン)
企画
世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター
黒石秀一(スマートシティプロジェクトフェロー)
ティルグナー順子

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