デジタル5原則が導く、法規制革命
昨年12月に首相官邸にて開催された「第二回デジタル臨時行政調査会」にて、デジタル改革、規制改革、行政改革の共通指針として「デジタル社会に向けた5原則」が策定され、話題になりました。
マイナンバーカード、5G、公共WIFI、データセンターといったデジタル基盤のための公共投資にも注目が集まりますが、政府のデジタル・トランスフォーメーションに必要とされているのはテクノロジーだけではありません。公共サービスのオンライン化のために、60,000件とも言われる法規制や行政手続きの一括見直しが、全官庁を巻き込んで、粛々と、着実に進められています。
この規模で法規制の一括見直しを行う取り組みは、世界でも例がありません。まさに「法規制革命」です。押印、紙の書類、本人出頭、目視など、精緻なアナログ運用で有名だった日本の行政システムは、デジタル化の対象を「ルール」にまで広げていくことによって大きく変わろうとしています。
このデジタル5原則がもたらす変革について、Japan Timesへ記事を寄稿しました。↓
世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター アジャイルガバナンスチームでは、デジタル化と法規制のありかたに関する国際調査をもとに、デジタル原則やデジタル法制局の設立などを提唱してきました。特に法規制の運用を「アジャイル」にすることは、個別の事情や状況に対応したルールや、技術の成熟度とテクノロジーの進化にあわせたルールのアップデートを可能にします。これまでのような静的で「one-size-fits-all」ともいえる規制アプローチとは正反対です。
これは単なるアナログからデジタルへの手法の置き換えではなく、規制等の社会のルールを企業や市民社会と共に作り、共に運用し、共に発展させていくことを前提とした、既存ルールの一斉見直しでもあります。ルールが変われば、社会も変わります。大胆な一歩を歩み出した日本の法規制改革に注目です。
参考:デジタル5原則について
世界経済フォーラム第四次産業革命日本センター Jonathan Soble、隅屋輝佳、ティルグナー順子
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