妊娠4ヶ月の話。
妊娠アプリによるとつわりが軽くなるころ、とのことだったが、
わたしのつわりは軽くならずにそのままの勢いを維持していた。
この頃には母子手帳も手に入れて、おなかも少し、本当に少し、ふくらんでいた。
妊娠したことをおなかが大きくなるまで信じてやるもんかと思っていたが、
今度はおなかを蹴るまで信じてやるもんかと思っていた。
「本当におなかの中にいるのかな」と声にだすたび、
夫に「いるでしょ」と言われていた。
妊娠4ヶ月は、いつまでも気持ちが悪いと言ってられないので、
家事をこなしてまともな弁当を作るようになっていた。
掃除機もかけていたし、散歩にも行っていた。
しかしこれがよくなかったようで、4ヶ月の終わりころに少量出血した。
病院に行って、「おなか、張っていたんでしょう?」と言われたが、
おなかが張る、という状態がわからなかった。
しかし考えてみればあの時、そういえばあの時も、おなかに違和感を感じたのだった。
そうかあれが張りか、と。
たしかに張っていた。
たくさん張っていたのに、わたしは動き続けていた。
その結果の出血である。
赤ちゃんに申し訳なくてその日はたくさん泣いた。
もし流産になったらどうしようと騒いだ。
その2日後が5ヶ月検診だった。
怖くてたまらなかった。
おしまい。
ここから先は
0字
¥ 100
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?