コークハイ

今日で梅雨が終わったらしい。涼しい風と程よく伸びた夕日が気持ちいい。好きな人が仕事から帰って来るまでの間、手持ち無沙汰になった私は薬局で日用品を買うために出かけた。

薬局に寄った帰り道

私はスーパーであの人が好きなビールと、コーラを買った。

コーラには思い出がある。私の父親は何故かピザを食べるときに決まって「コーラはいらないの?」と聞いていた。それが彼の生きた時代の贅沢だったのだろうか。

コーラができたのがペリーが日本に来航してから約30年後のことだから、あまりに贅沢というには古いように思えた。

この黒とも茶色ともとれる甘い液体の与える爽快感は何なのだろうか。誰しもが飲んだことがあるだろうこの飲み物を嫌いと言う人に出会ったことがない。みんな最初に飲んだのはいつなのだろうか。

私は幼稚園に通う頃にはすでに飲んでいたように思う。原始体験はいつも美化されている。きっと私の父もそうなのだろう。

待つまでの間、空腹を誤魔化すためにアルコールを足した。

涼しい夏と火照ったからだ。何に火照らせているのか分からないが、やさしい気持ちで時間を待った

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