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②東京から知床まで カブで行く10日間のバイク一人旅【出発編〜初日】

皆さんこんにちは♪製作者のRE(アールイー)です。
今回は【出発編〜初日】と題して書いていきます。前回の【準備編】も合わせて読んで頂けると幸いです。

□この日記は道中に見えた風景やその時の心情を記載したものです。おすすめの観光スポットをご紹介する日記ではなく、臆病者な私が意を決して旅をした道中記です。読んで頂いた方の何かのきっかけになれば幸いです。

※今回の日記は気持ちの浮き沈みが多くあり不快になる場合がございます。その際はそっと読むのをやめることをおすすめします。

・初日の行程
知床までの道中で寄って行きたい場所が2つありました。
福島県にある震災の資料を展示している「東日本大震災・原子力災害伝承館」と北海道網走にある「博物館 網走監獄」です。
初日は福島県まで一気に走り、伝承館に寄って近くのキャンプ場で一泊の予定を立てました。(キャンプ場は未定)
およそ300km。7時間を超える距離。
都市部を抜けるには交通量を考慮して夜の方がスムーズかなと考え、日付が変わる少し前の時間に出発しようと決めました。
出発日は7月8日、午後10時。


・いよいよ出発!
7月8日午前
朝起きてからなんだかそわそわする。高揚感や緊張感、不安やワクワクした気持ちなど色んな感情が混ざっていたのだと思います。荷物は前日までに全てバッグに積み込んでいたので、この日は改めて走る道やキャンプ場を色々見ながら過ごしていました。

午後8時
なんだか気持ちがまったく乗り気にならない。この時はすでに不安が大きく、行きたくない気持ちがワクワク感を上回っていました。そんな気持ちを紛らわすためお風呂に入ったり着替えなどを済ませ出発できる準備を整えて行きました。

午後10時
高揚感やワクワク感はどこへいったのか。予定時刻を迎えた時はすでにそんな気持ちは私の中にありませんでした。あるのは「ここまで色々準備して行かないのか?」という自分自身へのがっかり感や嫌悪感だけでした。この気持ちを払拭するには出るしかないのですが、とうとうこの日は出発しませんでした。


今日は行かないと決めた時はとても安心したのをよく覚えています。
誰かにやらされているわけでもなく自分で決めた事なのに。

・ぐるぐるした気持ち
バイクで遠くまで行った記事や動画は、インターネット上にはいくらでもあります。
「日本一周」なんて壮大な旅もたくさんある中で「東京から知床まで」というのはインパクトはあまりありません。
しかし私にとっては大きな決断です。バイクにあまり乗っていない、長距離運転も未経験、ソロキャンプも未経験。何のために知床まで行くのか自分でもよく分かりません。軽い気持ちで決めたので当然です。ましてその答えが知床にあるのかさえ不明です。
ただ1つ分かることは「行ってみないと分からない」ということでした。

色んな事が頭の中をぐるぐるした状態でこの日は眠りにつきました。

・出発予定日の翌日
7月9日
出発日を一週間延ばす。前日にそう決めたのですが、今日もずっと気持ちが落ち着きません。それは自分でも分かっています。出発日を延期したところでまた同じ事になる事を。
こんな気持ちになった人は他にいるのでしょうか。自分で決めて、ワクワクしながら準備していたくせに、いざ出発となったら怖気付いて体が動かない。
この時は全然気づいていなかったのですが、ワクワクとか楽しみといった感覚は当初よりなかったんだと思います。準備する事に楽しさを感じていたのでしょう。行ってみたいから行く!のではなく、自分にちょっとでいいから踏み出す勇気を付けたかったのです。



午後11時
考えることを全て横に置き私は出発しました。
出発する雰囲気も無くいきなりだったので妻も驚いていました。「まさか今日行くとは思わなかった!けれど気をつけて楽しんで行ってきてね」と。出発してから送ってくれたメールを読んで、それをそっと心の中にしまいました。快く送り出してくれた妻には感謝です。

・とにかく先へ
走り出してしばらくの間はどういった気持ちだったか今となってもよく分かりません。とにかくナビを見ながら指示された通りに進んでいました。
とにかく先へと向かって行ったのです。
夜という時間帯や見慣れない土地を走っているというのが自分に妙なテンションを与えてくれました。休憩を取ることも忘れひたすら福島を目指しました。
標識で「埼玉県」や「栃木県」、「茨城県」と出てくる度に、少しずつ東京を離れていっている事を実感したのをよく覚えています。

・現実に戻った瞬間
深夜の1時か2時頃だったでしょうか。両脇に田んぼが広がる片側1車線の道路を走っているときに、少し前の所で車がハザードを点けて停まっているのが見えました。パトカーの赤色灯が光っているのもそれと同時に見えたので何か事故があった様です。
停まっている車の後ろまで行くと、警察官がこちらに来て「バイクなら通れると思うので気をつけながら進んでください」との事。
状況があまり分かっていなかったのですが、ゆっくり走っていくとそこにはバンパーが外れ、ボンネットがひしゃげてエンジンが剥き出しになって破損している軽自動車がありました。他に車が無かったので単独事故だったと思います。反対車線まで飛び散った部品を見る限り、結構なスピードが出ていたのかもしれません。
原因は分かりませんがこれから知床まで行くぞ!と思っている私には強い衝撃でした。
妙なテンションでふわふわしていた気持ちが一気に現実に戻った感覚です。
気持ちを引き締めて再び運転をし始めました。


【出発編〜初日】は1つの日記に書く予定でしたがかなり長くなってしまいそうなので一度ここで区切らせていただきます。
今回も最後までお読みいただきありがとうございます。次回は「初日〜パート2」をお送りします。

2023年7月31日記 RE:(アールイー)

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