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無駄な情報ばかりがあふれてる

このところ、ほぼ毎日のように日本大使館から新型コロナ関連のメールが来ます。

ベルギーを含め、ヨーロッパの多くの国では2月末に1週間のカーニバル休暇があり、国外旅行に出かけた人たちも多かったので、休暇明けにはウィルスをもらって帰ってくる人が増えるだろうぐらいのことは、シロウトでも予想のついたことですが、3月に入って、まあその通りになってますね。
そんなワケで、日本大使館のメーリングリストに載ってる在住者に一斉メールが来るようになったんですが、問題はその内容です。中には「日本人に対する入国制限・入国後の行動制限がかかった国のリスト」というのもあって、これはまあ渡航予定のある人には必要な情報だと思いましたが、それ以外は毎回「今日ベルギーで新たに何人の感染者が確認されました」という通達ばかり…

日本国内のニュースも似たようなものだと思うんですが、…これって人々の不安や恐怖心を煽る以外に、なんか意味あるんでしょうか?


この新型ウィルス、感染しても発症しない人や、普通の風邪と同程度で終わってしまう人も多いそうですね。ならば、自分では気がつかず、せいぜい軽い風邪のつもりで医者にも行かず、従って検査を受けることもなく普通に行動している人たちも大勢いるはずです。
そういうカウントできない人々がいると分かっていて、いったい何のために毎日毎日「感染者数〇〇人」なんて数字を更新するんでしょう? 徒にパニックを引き起こすだけで何の役にも立たないということに、発表する側も報道する側も、いい加減気づいていただきたいものです。(それとも、分かっていて意図的にやっているのかな? だとしたら、これこそ付ける薬なしですね)


本当に必要なのは、人々の過剰な不安を払拭し、冷静に対処できるようにするための正しい情報です。
例えば、3月始めに「伝染力はインフルエンザほど強くない」という WHOの見解が報道されていました。でも、それと同時に「重症化する確率、死亡率はインフルエンザより高い」という見解も発表されたため、そちらの方が重視されて「感染力は高くない」という情報はかき消されてしまった感があります。しかし、よく考えてみれば、この重症化率・死亡率というのも、上で述べた「アテにならない感染者数」を母数として計算したものですから、実際にはもっと低いと見るべきです。
同じくWHOの報告によれば「ウィルスに感染してから発症までは平均すると5~6日」とあり、潜伏期間も言われていたほど長くないことが分かってきています。
また「SARSを上回る世界的流行」なんて報道もされていますが、それは逆に言えば、国境を越えて動き回れるぐらいの軽症者が多いからだと言えるでしょう。

これらの情報を総合すると、コロナウィルスはそんなに恐怖すべきものではないことが分かります。もちろん、だから感染しても構わないってワケではありません。でも、パニックを起こすほどじゃない。インフルエンザにかからないよう充分に気を付けていれば、この新型コロナに対する感染防止にもなるってことが言いたいのです。
過去、インフルエンザの流行で、ここまでパニックの様相を呈したことがあったでしょうか?(アメリカなんかこの冬、新型コロナ騒ぎが始まる前にはインフルで物凄い数の死者が出てたんですけど、こんな大騒ぎしてなかったですよね)


最初に見つかった時は「新型」で「未知」のウィルスだったから、感染したらどうなるのかも治療法も分からなくて、それは確かに恐怖だったでしょう。でも、これだけ世界中で症例が増えてきた今は、その分だけ分かったことも増えてきています。その「分かったこと」を正しく伝え、人々の認識を常時アップデートしていってこそ、効果的な感染防止ができるってもんじゃないでしょうか。

無駄にパニックを煽るような情報の垂れ流しは、いい加減にやめて欲しいと心の底から思う今日この頃です。