見出し画像

マスクを高額転売する自由主義に対するメモ

自由主義&市場経済の論理だけで動くとマスクの買い占め&高額転売を否定できないので、そこに何か大多数が納得するような倫理を持ち込むことはできないもんかとアダム・スミスに戻ろうとしたところ、自由主義経済論を打ち出した『国富論』の前に書いた『道徳感情論』が重要そうな気がしてきた。

https://biz.trans-suite.jp/11610 アダム・スミスは『道徳感情論』でまず「共感」を重視しており、〈いかに利己的であるように見えようと、人間本性の中には、他人の運命に関心を持ち、他人の幸福をかけがえのないものにするいくつかの推進力が含まれている〉と、人が他人を幸福にするものだという前提を持っている。

その倫理観をもとに書かれた自由経済論なので、個々が利己的行為をすることで市場は機能する、価格はうまく調整され等しく利益を享受する、という経済観は、それぞれが他人の幸せを求める道徳心があるという理想が前提にある。ので、今の自由経済は倫理/道徳がゼロになっている点で当初の想定とは違う。

んでケインズを経てフリードマンの新自由主義になるわけだけども、現在の日英米の基盤となっているこの主義も、結果として巨大な格差社会を生んだので、今では強者の理論であると批判されている。ただ、それに対して有効な代替案がないまま肥大化しているのが現在、というところか。フリードマンを批判的に乗り越えようとしていたスティグリッツや宇沢弘文がどんな対案を示していたのか、まだ詳しく見ていない。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?