断捨離ブームの次を考えていたときのこと

断捨離ブームの頃、何か次の一手はないだろうかと雑談していたときのこと。

ば「断捨離ってアメリカでもすごく流行ったんでしょ」
タ「実は僕、なんで流行ったか考えたんですよ」
ば「え、何?」
タ「断捨離ってものを捨てる時に『ありがとう』って感謝するでしょう? あれって万物に神様がいる八百万の神の考え方で、つまり神道じゃないですか?」
ば「あーそういう見方もできるね」
タ「んで、断捨離ってヨガから来てるらしいんですよ。『断=欲望を断つ、捨=地位を捨てる、離=こだわりから離れる』って、ヨガの行法なんです」
ば「はーそうなんだ。あれ、じゃあ仏教由来なわけ?」
タ「つまり『断捨離』って神道と仏教が混じった日本独自の宗教観なんですよ。アメリカのキリスト教徒にとってはそこが新鮮だったんじゃないかと」
ば「断捨離って宗教のカルチャー・クラッシュだったんだ」
タ「だから、宗教観とものを捨てる行為を結びつければ、次のブームが起こせるんじゃないかと!」
ば「なるほど……キリスト教、神道、仏教がもうとられてるんだから、そしたら次はイスラム教だね!」
タ「イスラム教といえば『目には目を、歯には歯を』ですかね」
ば「それだ! 『やられたらやりかえせ』、つまり『捨てられたら捨て返せ』だ!」
タ「なんですかそれ」
ば「友人とペアになって、お互いの家を掃除するんだよ! 相手の事情を考えつつも、適度に捨ててしまう。自分で捨てるから未練が生まれるわけで、未練とかわかんない別の人が捨ててしまえば部屋がスッキリするよ」
タ「あいつはあれも捨てやがった……じゃあ俺はこれも捨ててやる……みたいなことですか」
ば「そうだね、お互い本当に捨てられたくないものはあるわけだから、自分が捨てすぎないことで、相手にも捨てすぎないでねという抑止力になる。あとほら、海外のエンジニアのあいだでペアプログラミングって流行ってるじゃん。二人で同じコードを書いてると効率がいいってヤツ。次はペアゴミ捨ての時代だよ」
タ「それですよ、ばるぼらさん!」
ば「おおー、ベストセラーだ!」
タ「印税は山分けで!」

……数日後……

ば「断捨離ブームの次を見つけたんですよ、こんな企画なんですが」
編「まぁ、ないですね(笑)」

(完)

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