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小室等再評価を日本語問題から考える

どうやって小室等を再評価するか?はここ数年の自分内の課題です。小室等を再評価しようとしたのはそれほど昔のことではありません。ラフ・トレードを調べていた最中、三浦光紀が小室等からの影響を語っていたのを読んでからです。まさかラフ・トレードを日本に持ってくる時に小室等の精神が重要だったとは……という。あまりにもその精神が振り返られてなさすぎではないか?と思いました。

※なお、念のため書きますが、小室等は「こむろ・ひとし」です。小室哲哉その他を示す「小室など」ではありません。

で、そうやって小室等の発言を追ってる最中、日本語を音楽にのせることについて語っている箇所があって、これ面白いなと思って書こうと思った次第です。が、そもそも小室等を知らないと面白くないので、小室等の話を書いてからにします。小室哲哉と小室等を再評価してるnoteはここだけではないか!? 本題だけ読みたい人は下の方までスクロールしてくれ!!

前提

小室等はフォークシンガーであり、ロック文脈ではほぼ言及されないため、まとまった情報はおそらく熱心な音楽ファンでも読んだことがある人は少ないと思いますが、なかなか重要な存在です。どれくらい重要かというと、日本のモダンフォークシーンの誕生の、本当に最初にいた一人です。

日本で誰が最初にフォーク・ソングを歌い出したか、誰が最初のグループをつくったか? 私の所には、残念ながら正確な資料はありません。でもいち早く、このすばらしきものに飛びついた先駆者達の名前をあげずにはおられません。
私の知るかぎり、大沢保氏、鈴木豊助氏、小室等氏、三人の名前があげられます。

『Folk’ Singers フォーク・ソング その意味と実践のすべて』(1967-02-15)p24「日本におけるフォーク・ソングの動き」(日高義)

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