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教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書

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2005年5月に出た『教科書には載らないニッポンのインターネットの歴史教科書』という本のオリジナルデータです(正誤表は全反映済)。検索したい、スマホで読みたいと常々思っていた方は… もっと読む
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#第2章・インターネットブームの光と影

テキストサイト誕生前夜(プレ・テキストサイト)

テキストサイトという呼称を初めて聞いた人が連想する、なにやら文章に力をいれているサイトのことがテキストサイトかといえば、単純にそうとも言えない。テキストサイトと呼ばれるサイトの共通点は、文章に対する視点の持ち方と運営スタイルにある。やがてそのセンスを共有する同士がリンクでつながりあい、緩やかなコミュニティが生まれていく。その輪郭が浮き彫りになるまでの、原始共同体のあり様を探ってみたい。

しまやん氏 インタビュー 君は覚えているか?キラーラビットの熱き血潮を!「お墓参りに行ってきます」

あの「ハッピーハッピーうさちゃんまつり'67」を取り上げずに、日本のインターネットを語っていいのだろうか? 答えはもちろん尿、もといNO。当時、脳みそをほどよくシェイクされたネットワーカー諸氏に贈る。 しまやん……元「ハッピーハッピーうさちゃんまつり'67」管理人。イラスト以外にもいろいろやっているが本職は多分イラストレータ。

宗像明将氏 インタビュー テキストサイトがなかった時代のコジャレと日記「人生の回転速度が急激に上がった」

「ミュージックマガジン」誌などで音楽ライターとしても活躍されている宗像氏は、96年12月から「小心者の杖日記」を淡々と続けてきた。その中では、タイトルにムーンライダーズの曲名を冠したエヴァンゲリオン系のコンテンツ「マニアの受難」のように、オタクとサブカルの両面で活動していた。のちに「コジャレ」と呼ばれるこの界隈の話を聞いた。 宗像明将(ムネカタ・アキマサ)……ネット歴は96年春から。詳細は本文参照!

アンダーグラウンド考古学(僕らはみんな厨房だった)

アンダーグラウンドというものがインターネットにも昔あった。それは一般にはハッククラック(ハッキング/クラッキング)が主流で、他にもコンピュータ・ウイルスの情報や、違法なファイルのやり取りもその中に含まれる。しかしアングラの本体はその精神性にあり、本道の裏側や横道に隠れた場所にこそ何かがあるという、別視点の発見の試みだった。今のインターネットにその視点はあるだろうか。誰かにとって安全で、誰かにとって健全になる前の、あやしく危ないインターネットをたどる。 UG(アングラ)の王道

WAREZの歴史(前編)

人より一バイトでも多く最新のアプリを持っていることが大切で、「写真屋」はフリーソフトだなんて誰かが冗談を言う。お礼は五行以上書かないと気持ちがこもっていないと怒られて、落としたソフトが起動することを確認したらまた次のファイルを探しにいく。積み上げたCD-Rの数だけ成長した気がした時代――誰にも語られてこなかった裏の世界を、今こっそりと思い出そう。

アングラ掲示板黄金時代

「2ちゃんねる」以降のユーザにとっては、ここで解説するアングラ掲示板は名前を知っている程度か、一度見たことはあるけどよく判らなかったというレベルではないか。97年から98年にかけて乱立し、現在はほとんど絶滅してしまったアングラ掲示板の中で、特に輝いていたと思われる掲示板について紹介する。