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#138 再びの……【Gt.Fu-ki】

 今年の2月、当店9周年前後の記事で、メニュー更新でバタバタしている模様をお伝えしました。
 来年の2月に同じ目に遭いませんようにと、願掛けまでしたのですが。やはり避けられず。
 巻きで始まってます、メニュー更新。
 
 我々飲食店は「仕入れが上がったから値段上げるね」といった話では無いのです。上がったり下がったりの誤差も計算して、その時その時安い旬の物を探したり、仕入れを見直したり。
 端的には営業努力を存分にして、お客様に説明責任を果たして、理解を得てからの「ごめんなさい、値上げします」ってのが、値上げに至るまでの正しい順序だと思ってます。
 逆にそういった努力をせずに値上げが出来ない、してはならないと考えているからこそ、メニュー更新に向けて動き始めている訳でして。
 
 お酒は基本的に原価率をベースにして計算が出来る。ウィスキーのロックだったり、生ビールであったり。
 カクテルはミキサーの値段(コカ・コーラの値上げとか)が関わってくるので少し計算が面倒だけど、まだ余裕。
 これがフードになってくると本気でエグイ。パスタの値段、油の値段、調味料の値段をベースにして日々変動する野菜の値段や、上がり続けるトマト缶の予測をして、生野菜のロスを如何に減らすか考える。
 エクセルのデータベースは作ってあるが、考える事も、調べる事も膨大。その上で新メニューを考案する。永遠に終わらない気がしてならないのだが、手を抜いて良い道理は見当たらない。
 
 お客様から「値上げをしないで潰れるほうが困る」と、とても有難い言葉を頂くことが多く、値上げに踏み切れる。
 そして値上げを断行する以上は、ドンブリ勘定ではなく、原価をベースにした適正価格をちゃんと出して、こういう理由で値上げしますと、説明する義務を負う訳です。
 チェーン店ではないからこそ、雑な値上げが出来ないから苦労と手間暇がある。それでも罪悪感を感じないで済むのは、お客様のお陰でもある。
 
 今年の頭の記事でしたが、去年の8月頃から始まっていた、値上げに伴うメニュー変更に掛かる苦労は、お客様との信頼の証でもあるなと、今まさに痛感しています。
 値上げという、ネガティブな物事に対して、再び感じている自己肯定感。それに報いる為に、ちゃんと仕事をしています。
 が、本当に時間が足りない(笑)

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