時事直言 ⋆⸜ 来年のことを言っても鬼は笑わない⸝⋆(No.1649/ 2023年12月27日)
⋆⸜ 時事直言⸝⋆
来年のことを言っても鬼は笑わない
2024年は「転換の年」である。
転換とは、流れが変わること。
FRB(米連邦準備理事会)は、2022年3月から続けて来た利上げ政策を2024年の適当な時期に正反対の利下げ政策に転換する。
一方、欧米が利上げをしている間、金融緩和とマイナス金利政策を続けて来た日銀は、2024年FRBの利下げを確認してからマイナス金利を解除し、YCC(イールド・カーブ・コントロール=長期国債を市場操作で固定する)を修正、または廃止で今までと正反対の事実上利上げ政策に転換する。
日銀が緩和政策を続行し、FRBが利上げ政策を続行している間、日本から投資資金1,550兆円(日銀の緩和資金に相当)がアメリカへ流出した。
FRBと日銀の政策が逆転すると、資金の流れも逆転して日本から流出した資金が日本に帰還する。
資金が流入すれば、その国の景気は良くなり、流出すると景気が悪くなる。
従って2024年はアメリカの景気が悪くなり、日本の景気が良くなる。
日本経済の癌は、30年も実質賃金が上がらないため、常に供給が需要を上回るデフレ体質である。
本年、30年ぶりに名目賃金が3.58%上がったが、実質賃金はマイナス2.3%なので、賃金と物価上昇の好循環にはならなかった。
2024年、連合の春闘目標は5%以上で、経営者側も政府からの圧力もあり、合意することになっている。
2024年4月か5月頃から、数字の上の賃金上昇の物価転嫁による好循環が実現すると考えられる。
30年ぶりに賃金・物価好循環になれば海外(アメリカ)から日本に資金が一極集中する。
日本経済は、やっと暗いトンネルから明るい太陽の下に出ることになる。
2024年は日本にとってありがたい転換の年である。
ところで「転換(変化)があるところに儲けあり」をご存じだろうか。
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この記事は、増田俊男先生の時事直言の転載になります。
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