⋆⸜時事直言⸝⋆ ウクライナ戦争を総括すれば(No.1681/2024年7月11日)
⋆⸜時事直言⸝⋆
ウクライナ戦争を総括すれば
ウクライナ戦争は2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻したことから始まった。
ウクライナ戦争が始まるまでにウクライナで何が起きていたかを知らねば、ウクライナ戦争の真実を知ることはできない。
今から10年前の2014年2月、ヤヌコビッチ親ロ政権が数か月間にわたる民衆の暴動で崩壊した。
打倒ヤヌコビッチのクーデターは、当時米国務次官のヌーランドと国務省傘下の民主運動支援機関、CIA工作員、ジョージ・ソロスによる民主運動資金援助などで成功したのである。
政府転覆を叫んで行進をしていたデモ隊に米国務次官ヌーランドがアメリカ製クッキーを配っていた当時の映像がある。
当時のアメリカの大統領であったオバマ、副大統領であったバイデンは「親ロ政権を倒し親米政権樹立に成功した」との記録を残している。
プーチン大統領は「ヤヌコビッチ政権は米国製クーデターによって打倒された」と述べているが、それはオバマ、バイデンが口には出せないが認めていることである。
プーチンはアメリカと新たな親米政権に対する報復処置として、クリミアに軍事侵攻、平定後住民投票を行い住民の90%以上がロシア帰属を希望したことによるクリミア自治区議会のロシア帰属決議をロシア議会が承認することで2014年3月クリミアはロシアに併合された。
以後ウクライナではロシア系住民が多い東部とウクライナ政府軍との内戦が続いたが2014年のミンクス合意(ベラルーシ首都ミンクスでウクライナ、ロシア、2014年に独立宣言をしたロシア人系ドメツクとルハンスク人民共和国が参加)が締結された。
その後数か月小康状態が続いたがドンパス地区での戦闘が再開、内戦続行となった。
フランスとドイツの仲介で再びミンクスで停戦合意が成立したが、やがて双方が合意を無視して内戦続行となっていた。
プーチンにとってウクライナがロシアの敵のNATOに加盟することは自分の裏庭を敵に渡すも同然のことだから決して許されないことである。
そのため2022年1月から2月にかけてロシア軍約20万をウクライナとの国境に集結、ウクライナにNATO加盟を断念するよう圧力をかけた。
ウクライナとの国境へロシア軍を集結したのはあくまでもウクライナに対する圧力であって軍事侵攻など考えていなかったとプーチンは証言しているし、ショイグ国防相も軍事行使の計画は全くなかったと明言している。
バイデン大統領は(ロシアがウクライナ侵攻する4日前)ホワイトハウスでの記者会見で「数日中にロシアはウクライナへ軍事侵攻する」と述べたので驚いた記者たちは、「一体何が根拠でそういうことを言うのか」と問い質したところバイデンは「CIAからの確かな情報だ」と答えた。
ロシア軍の国境終結が終わるのを待っていたかのように、ドメツク、ルハンスク人民共和国内の学校や病院などがゲリラ攻撃を受け、数十人が無差別に殺害され、道路には地雷が仕掛けられ犠牲者が増え続けた。
現地を取材したフランスのルモンドの記者は、殺戮を行ったのはウクライナ軍ではなくヤヌコビッチ打倒の際結成された民兵組織で「CIAや米国務省、ジョージ・ソロスなどがバックにいる」とのことが明らかになった。
プーチンの目の前でロシア人を無差別殺戮して見せればプーチンがどうするかCIAは知っていたのではないか。
ロシアとウクライナの戦力を見れば、戦争をする前からウクライナに勝ち目はないことが分かる。
知っておかないといけないことは、日本を除く欧米はウクライナはロシアに絶対に勝てないことをはじめから承知の上であること。
戦場に残されたタンクや装甲車、機関砲などの残骸からロシアの兵器もウクライナの兵器もすべて旧式の中古品であることが分かる。
アメリカからウクライナへ兵器が送られるということは、対ウクライナ支援予算を軍事産業に払うことである。
すなわちウクライナ軍事支援は自国の軍事産業支援である。
欧米でウクライナ追加軍事予算が決まった今、年内停戦になったら軍事産業支援が中断される。
7月1日、欧州議会の議長国になったハンガリーのオルバン首相は、欧州連合とNATO加盟国唯一の親ロ派である。
オルバンは7月2日ゼレンスキー、7月5日プーチン、7月8日習近に会い、ウクライナ戦争停戦を説得している。
欧米はウクライナの民主主義のためなどと言いながら、停戦に反対し、ウクライナ国民の悲劇を増幅すると同時に軍事産業の利益を倍増しようとしている。
和平交渉の前に即時無条件停戦を主張する欧州連合新議会議長オルバンがアメリカと欧州勢から総スカンを食らうのは当然である。
これで「ウクライナ戦争とは何か」が分かっていただけたと思う。
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