1年に一度だけの連絡。

先日、31歳の誕生日を迎えた。
誕生日はいくつになっても嬉しくて、その日は気分があがる。
学生時代は学校へ行くと「おめでとう」のお祝いの言葉や、プレゼントを用意してくれたこともあった。
誕生日当日になった深夜0時ちょうどにお祝いメールが届くこともあった。
いまは友達も結婚したり仕事が忙しかったりでお祝いメールが届くこともなく、SNSで誕生日設定をしていたら丁寧に「きょうは○○さんのお誕生日です！」とフォロワーやフレンドに通知してくれるので、それをきっかけにコメントが届くくらいだ。

そんななか、毎年私の誕生日をお祝いしてくれる異性の友達が1人だけいる。
お祝いと言っても、「誕生日おめでとう」をメールかSNSで送ってくれるだけだが、もう何年も会っていないのに必ずくれる。
今年はインスタグラムのDMで届いた。毎回久々に連絡が来て、しかもあまり使わない手段で届くから驚かされる。

彼女との出会いは、中学1年で同じクラスになったとき。
勉強もスポーツも抜群で、かわいい。
よくモテていたし、私も一時期恋をしていた気がする。
同じクラスになったのはそのときだけだが、中学時代はなにかと連むことが多かった。高校は「セーラー服が着たい」という理由で、私の地元からはあまり進学する人がいないところへ行った。
高校は私も部活が忙しくて会うことはめっきり減ったが、メールなどでよく連絡は取っていた。

最後に会ったのがいつかわからない。
毎年、誕生日のお祝いが届いた返事に、お礼と「ってか久しぶりすぎ。最後に会ったのもいつか思い出せんくらい疎遠やん。笑」という内容を返す。
そうすると、相手も「って言いながら、全然連絡くれんやん。笑」とくる。
やりとりは、ここで毎年終わりになる。

私はこの関係が心地いい。
一年後にはこのやりとりをきれいに忘れている。
だけど、彼女は私の大切な友達だ。
「地元で、仲の良い異性の名前をあげよ」という問いあがれば、彼女も私の名前をあげるだろう。
私はSNSを更新するが、彼女はまったく更新しない。
さらには、アカウントを突然削除し、また新たに作ってフォローしてくる。
こういうタイプの人間は、きっと何かがあったからアカウントを消してやり直しているとおもう。それでも、作り直したときにまたフォローしてくれるのは嬉しい。
私のSNSの多くは今日食べたもの、ハマっているアイドルやアニメ、悪口ばかりで身にもクソにもならないものばかり。

一年に一度だけ届くお祝い。
私も彼女の誕生日にはお祝いを送っている。
ただ、彼女は突然アカウントを消すので、「きょうは○○さんのお誕生日です」の通知が来ないときは焦る。私は彼女の誕生日を何回聞いても記憶できない。だから毎年お祝いメッセージを送っても、「ありがとう。今日じゃないけど。笑」がほとんど。今までで一番ひどいと自分で思うのは、誕生日の1ヶ月後に送ったこと。それでも、彼女は毎年律儀に送ってくれる。

友よ。
いまあなたはどこで何をしているのですか。
田舎なんで、母親ネットワークから「○○ちゃん、●●君と結婚するらしいよ」という話を少し前に聞きました。
●●君は、あなたが中学時代に少しお付き合いしていた人です。
本当かな？

今年のお祝いメッセージの返事には、あなたの現状をお伺いする内容を送ろうと思います。
誰と付き合っていようが、結婚していようが、どこで暮らしていてもかまいません。
あの頃と同じように、元気で明るいあなたでありますように。
お祝いメッセージありがとう、また来年もお待ちしています。