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六本木に帰れない下北の夜

2022.10.20中田裕二 歌うロマン街道
下北沢心中 第5回

「葛西に帰れない下北の夜」

いつも思うのがあの多感な14歳の夏にこのひとに出会って良かったと思う

下北沢初めて行ったけどいいとこだね、駅前でバンドマン達がファンに囲まれてて何故か見ていられなくなって早足で通り過ぎたけど、下北の人達は5人にひとりはマーチン履いてたような気がするけど、やっぱ古着屋がめっちゃ多かったけど、椿屋四重奏がこの土地でライブをはじめたのかと思うと、スゲェ好きになったよ

椿屋四重奏のときはバンドマンとして、フェンダー片手に客席を煽ってた20代の中田裕二が、40すぎて下北沢の大人っぽいバーでアコギ1本で自分の曲や竹内まりや、中森明菜とか歌って楽しそうにニコニコしてるのを、私は見れて嬉しい

会場の後ろの入口から客席を通ってスイスイっと中田裕二登場、毎回思うけどこの人オーラが一般人なんだよなあ
「今日は髪を切っちゃったんですよ」という謎の散髪報告から始まり、今回の弾き語りが女視点の歌が多いので、「女の人は男から見ると非常に多面体というか…コロコロ表情が変わって、そこがまたたまらんという感じ」というおっさんみてぇなMCが板についてきたな、ヨッ!中田ァ!さすが41歳!!
今回番号結構後ろだったんだけど、前が空いてて2列目くらいに座れたので(中田ファンは恥ずかしがり屋なのか?)、中田との距離がバカ近くて酒を持つ手が震えました 決してアル中ではない
昔から中田裕二の頬骨の出方とホクロとあと鼻と目元のシワとヒアルロン酸入れたんか?ってくらいえぐい涙袋が好きなので、近いから目に焼き付けようと思ったけど、顔が5秒以上直視出来ずにインターバル挟みながら拝んだ
初めてライブ行った時、靴下とステージのカーテンしか見れなかったから本当に成長しましたね、チケット代を中田の靴下とカーテンに払ってたあの頃懐かしい(アホ)
でも何年経ってもあ〜〜中田みるとIQ下がる〜〜〜好き…………という感情以外持って生まれて来なかったクソオタクになる いやそれだけじゃないんだけどね
あと中田くん昔ガリガリだったから今いい感じに健康的に太ってて会う度にお酒が美味しいのかしらね…とニコニコする

音楽についてはもう本当に毎回、ギター1本と歌声でどうしてそんないつも魅了させてくれるのか謎
私はアホなので音が沢山鳴ってるロックサウンドとかテクノとか大好きで、ゆっくりした音楽なんてほぼ聴きかないのに、中田裕二のライブに行くと大人しく聴いてしまう…カバーの選曲も昭和の音楽でほぼわからないけど、中田くんが歌うと無条件で受け取ってしまう 原曲知らんまま聴いてる曲が沢山ある
40すぎて声にまた深みが出て、めちゃくちゃ頑張ってるんだろうな中田くん…と思いながら聴いてた
知らぬところで喘息の治療など頑張ってるんでしょうか、バンド時代いつも楽屋に吸入器と大量の薬があるのを見ていたので、年取って落ち着いてたら私はほんとうに嬉しいよ

「つかずはなれず」が聴けて嬉しかったです
中田裕二の男女観が出ててとても好きな曲

「男 女 それだけかな 違う生き物に思えるけど 僕の仕事 君の仕事 なるほど手出しは無用みたいね」

中田裕二「つかずはなれず」

男女平等が叫ばれてる昨今だけど、中田くんは男と女は絶対的に違う生き物だと思ってて(能力的な意味でなく恐らく考え方とか感受性の部分)、そのズレが面白いと思っている男なんだろうな
ひっくるめて最後に「君と僕は似合うかもね」でしめるの本当中田節という感じ
聴きながら中田裕二の物の考え方が好きだなあ思ったけど、中田裕二の物の考え方に憧れて大人になったんだからそりゃそうだと思った
ラジオで私の人生相談に対して「僕も若い時そうだったから気持ちすごいわかる」と言われたけど、そりゃそうだよ、おめ〜に憧れて政治思想まで影響されてるんだからよ…

六本木歩きながら、わあ〜すご〜い〜中田裕二っていつまでも私の神様でいてくれるんだあ〜と酒をしこたま飲んだ頭で思ったら、本当にずっと好きでいて良かったなあとジワジワきて泣いた

身勝手な話だけど、好きでいることに努力が要らなかった訳じゃない
椿屋四重奏が解散した日はなんでどうしてって泣きながら雪の降る坂道を歩いたし、ソロ活動始めてもう椿屋みたいな曲は書かないのねと気づいて寂しくなったし、中田くんが椿屋四重奏のこと黒歴史みたいに言う度にテメェこの野郎って思ったし、SNS嫌いで有名だったのにインスタもTikTokも始めて言ってることコロコロ変わりすぎでは?とキレ散らかしたり、中田くんが年取って白髪がたまに目立つと、いつこの人は歌を辞めるんだろうかと心配になったりして夜しか寝れなくなったりした
でも良かったです
中田くんの音楽と一緒に歳を取れてよかった

中田裕二ってあんまり有名じゃないですけど(でもテレビにはちょくちょく出てた)、私にとっては本当にもうずうっと憧れで、人生に大きく影響を与えた人で、哲学や文章の言葉選びも政治的思想も全部この人がベースにあって生きてきたので、傍から見ると傾倒しすぎてマジでキッショいオタクになってますが、思春期に夢中になったものは大人になってから呪いに変化するので仕方ないよ