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雪の九頭龍(Culture)

11月下旬、長野県戸隠にある戸隠神社奥社へ。


戸隠神社奥社までは長野市内からバスで1時間ほど。

「今年初めての積雪があったんですよ」

昨日、観光案内所の方が言っていた。


山へ行くにしたがって白い景色が広がりを見せる。

はりきって出かけたが、予想を上回る白い景色に不安へ変わって行った。

想定外の展開のため軽装備。雪道に慣れていない私は凍った雪の上を慎重に歩く。

こんな牛歩では目的地の九頭龍社までどのくらいかかるのか。通常、九頭龍社までは片道40分と言われている。

まっすぐの雪道を見つめる。

朝早いためか誰もいない(こんな天候だし)。不安と恐怖が襲う。

やっぱり止めておこうかな。いや、せっかくここまで来たのに。

ま、とにかく前に進もう。無理だっだら引き返せばいい。

雪道には不向きなスニーカーのまま雪の中を進むことにした。

ぐっと気を引き締め、一歩一歩踏み出す。

誰もいない。ただただ静寂。

ここで倒れたら終わり。命の危険を感じるも、しかし、不思議な心地よさ。
身も心も清浄されている感覚。

いよいよこの階段を登れば九頭龍社。

しかし、階段はすっかり凍っており、身の危険を感じる。

どうしよう。

と、下山してきた御一行と出くわす。

「九頭龍社まではどのくらいですか?」

「あと少しだよ」

「この階段を登る自信がなくて」

「ここまで来たらあと少しだからがんばって」

さあ。

私はカメラをリュックにしまい、腹這いになって登る。
やっとの思いで目的地の九頭龍社までたどり着く。

しばし、北アルプスを眺める。

そしてまた、来た道を、一歩一歩、引き返す。

無事に生還し、戸隠奥社中社までバスで移動し戸隠原産の戸隠そばを頂く。
やさしいお蕎麦の味に身も心もほぐれる。
お塩で頂くおそばは絶品でした。


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