光林寺 釈迦如来立像

 交野市にはその昔、三つの場所に星が降ったと云う言い伝えがあり、その三つの場所うちの一つがこの光林寺です。ですので、このお寺は山号を降星山と言い、境内にはその時降ったと言われている星(石)が祀られています。
 ある日、このお寺の前を通りかかると本堂の扉が開いていたので拝観をお願いすると、突然の勝手なお願いにも関わらず、御住職が聞き入れて下さいました。
 御本尊様の左側には、2メートル以上ある釈迦如来様が文殊菩薩様と普賢菩薩様と共にお祀りされていました。お像は少し傷んでいましたが、衣全体にとても細かなきりがね文様が施されていてびっくりしました。
 なぜ、こんなに大きくて立派な仏様が御本尊でなくお祀りされているんだろうと思いお尋ねしましたが、はっきりしたことは分かりませんでした。気になったので、後日、市立図書館で調べてみると、実は、この仏様は明治時代の初めに廃寺になった、交野市の愛染律院というお寺の御本尊様だったことが分かりました。
 そして愛染律院には、釈迦如来様の他にもう一体、地蔵菩薩様がいらっしゃいました。その仏様は現在、岡山県井原市の高山寺と云うお寺に、お祀りされていることが分かりました。写真で見ただけですが、高山寺の地蔵菩薩様のお顔と衣の文様は、光林寺の仏様のそれとそっくりです。
 更に調べると、高山寺は江戸時代の末期に火災に遭い、仏様が焼けてしまったようです。そこで、当時のお寺の方がいろいろと探し回られ、明治5年に愛染律院の地蔵菩薩様を交野からお寺に招来されたようです。その後の調査の際、体内からたくさんの納入品が見つかり、その中には大地震についての詳細な記録が記されている墨書があることが分かりました。そしてそのことが新聞等で取り上げられ、今では大変有名です。
 一方、光林寺の仏様はどこの指定も受けておらず、詳しい調査もされたことが無いようです。もしかすると今後釈迦如来様の中から何かの新しい発見があるかも知れず、とても楽しみです。
 ちょっとした疑問から調べ出しましたが、思いがけず様々なことが分かり、仏様をより深く理解することができ楽しかったです。

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 おまけ〈交野市の名店③〉
 七夕まつりで有名な交野市の機物神社の近くには、「スマイル」と云う名のクレープ屋さんがあります。このお店のクレープはボリュームたっぷりで、女性だとお腹がペコペコでないと食べきれない程です。その割には安くて、美味しくて、いつも誰かお客さんがいます。そして、いつ食べても感動します。私は勝手に交野市の名店だと思っています。光林寺から車で10分くらいです。