脳には自他の区別がない。

百均で買った『平常心』という本に「直接的な誰かへの悪口だけでなく、なんとなく口にした悪い言葉にも、自分に悪い影響を与える、マイナスの効果が有ります。その反対に、いい言葉には口にするだけで自分の心を元気にするプラスの効果があるのです。」と書かれていました。

 また、以前読んだ別の本には、このことをさらに詳しく説明している文章がありました。人間の脳は意外と性能が悪く、言語に関していえば自分と他人の区別ができない。例えば、他人に対して何か批判的なことを言ったとすると、主語の「誰々が」の部分は、全部一人称の「私が」に置き換わってしまう。つまり、他人への批判は全て自分に対するマイナスのメッセージとして脳は受け取ってしまっている、と言うのです。

 これを読んで、大変恐ろしいことだと思いました。人の悪口を言えば言うほど、どんどん自らが言葉の暴力に晒されるはめに陥るのです。それも、本人が全く気が付かないところで。

 しかし、もし、このことが事実ならば、反対に誰かに対して「ありがとう」と言うのは、自分に対して「ありがとう」と言っているのと同じことになります。「ありがとう」と言えば相手も喜ぶし、自分にもポジティブなメッセージが来るのです。

 周囲の人への感謝が、心の安定につながるというのは、実はこういう仕組みなんですね。