心の欲する所に従っても矩を踰えないように

心の欲する所に従えども矩(のり)を踰(こ)えず

有名な論語の言葉です。

70歳になるとこうなるそうです。

自分がしたいようにしても、周りに迷惑をかけたりしないで社会とのバランスがとれている。

そんな意味でしょうか。

ところで、いろいろな記事を読むと、もっと自分のしたいようにすればいいのだという内容をよく目にします。

それだけ我慢して生きておられる方が多いということだと思います。

私も出来るだけ、心が健康であるようにやりたいことをするように心がけていますが、一つだけ、注意していることがあります。

それは、

日常生活では、自分の思考や行動の癖を使い方すぎないようにする。

ということです。

私はどちらかというと几帳面な性格だと思います。

身の回りを片付けるのが好きですし、予定を立てて順番に用事を済ませていくようにします。

しかし、よく家族にも言われますが、全部終わらせようとしてしんどくなってしまい、挙げ句の果に家族にも迷惑をかけることがあるのです。

明日でもいいか、そう思うことで、自分のやり過ぎにブレーキをかければ良いのですが、つい忘れて夢中になってしまうのです。

キッチリするというのが私の心の癖なので、それに従っていれば気分が良いのです。

しかし、そっちばかりに気を取られていると、身体や心がしんどくなっていることや周囲に迷惑をかけていることに気が付かないのです。

自分の思考や行動の癖を使うことは、今までずっとやってきたパターンなんで自分として無理がなく、無意識にそうしてしまいます。

でも、いつもいつも同じパターンをつかってばかりですと・・・

矩を踰えてしまうのです。

煮詰まって来て、自分がしんどくなるだけでなく、次第に周囲とのバランスを欠いてくるのです。

ですので、そうならないためにいつもは使わない行動や思考の癖を使います。

よく行くのはイオンだけど、今日は近所のスーパーにも寄ってみようかな、という感覚です。

言い換えれば

自分のやり方にこだわらず、柔軟な思考で、いろいろなやり方を試してみるということです。

具体的にどうするかというのは勿論、皆さんお一人お一人性格が違うので一概に言えないのですが、私が使っているのは、以前ご紹介したエニアグラムです。

(エニアグラムは個人の性格は、中心となる囚われによって9つに分けられるというものです。インターネット上にも詳しく説明されている所がありますので、ご参照ください。)

例えば私のようにタイプ1の人間は、タイプ7の人が使う思考や行動のパターンを参考にします。

そうすることで、タイプ1の性格を外側から客観的に見ることが出来るようになり、バランスの取れた、人格の形成が促されていくのです。

自分の性格を深く理解し、日常生活においてその行き過ぎに気付けるようになることで、周囲とのバランスを欠くこと無く、健全な心を保ったまま、とことん自分らしい生き方を貫くことが可能になります。

70までに、心の欲する所に従っても矩を踰えないのが目標ですが・・・ 

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エニアグラムでのタイプ分けは、面白いですが、それは入口に過ぎません。

お家で言えば玄関です。

エニアグラムに興味をもたれた方は、どうぞ玄関先で止まらず、もっと中に入り、エニアグラムの有効な使い方をお試しください。