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2023年のバストリオのこと (1月ー3月)


2023年の年賀、うさぎと俺たち

バストリオの今野裕一郎です。バストリオで演出や構成、編集、映像撮影(主にドキュメント)のポジションにいます。たまに前に出ます。
このnoteに書いたりもします。

すでに覚えてないことばかりの2023年のこと、世界で最悪な出来事が今も続いていてルワンダ、ミャンマー、ウクライナ、パレスチナなどなど紛争や戦争が終わらないことにうんざりしてますが、ここでは個人のことに限って書きます。
たくさん動きまわっていろんなことをしてきたはずの今年、まったく覚えてないことばかりがiPhoneの写真フォルダに収まっていてふと記憶を蘇らせてくれます。記録というのはすごい発明です。いつも時間は流れていくけどちゃんと覚えていることも数少なくあるので、年末に向かって駆け足で振り返ってバストリオのことを中心に、自分のことも書いてみます。

一月
○小説家の山下澄人さんと会いました。「一緒に何かやりたい」という橋本さんの思いがあって年明け早々に喫茶店でお会いして長時間話しました。これまでも何度か話したり著作物読んでたりバストリオの作品も見にきてくれた山下さん、枝分かれしていった先の先端で、別れる前の幹の太さを持ってだいぶ前を歩いてらっしゃる方という印象で、言葉というものでこんなとこにいけるのかという驚きを与えてくれている人です。それで、一緒にやれたらということだったけど、まず『壁抜けの谷』というご自身の本を舞台にという提案をしてくれて、では舞台にしてみようという気持ちになったところまでが一月。その本を元にこのあと五月くらいまで大格闘が続く。今では大財産。
○バストリオが『トレイル』という試みを始めました。創作の場を公開、解放しようということで、発表を作ってるところをお客さんに見てもらうということになって、何時間も一緒に過ごすし、お客さんたちは僕らが作ってるところを自由に見ても見なくてもいいという過ごし方を提案した時間を生み出しました。なかなか勝手で大胆な試みだけどできる時は毎月継続していきました。その場に常連もできたりサロンのような役目を果たして、一緒に作ってみたくなったお客さんが参加してくれたりと、今までなかった流れを生み出していき本公演の舞台にまで影響を与えました。すごいこと。坂藤加菜が提案して動かした企画、来年もやる予定です。やって得るものが多い。

壁抜けの谷の感想会

二月
○知床に行きました。流氷がくるこの季節に訪れて友人たちとただのんびり過ごしながらこの年の葦の芸術原野祭の話をしたくてという滞在でした。鹿を撃ちに行く山の移動に同行したり、流氷と雪の白さに目を奪われて、この土地への愛情は増すばかりといった感じでした。何よりやることなくただいることの贅沢さ。
○たしか、アゴラ劇場の見学にも行きました。なくなることが決まった場所。見にいった思い出はだいぶ前にやっていた宮沢章夫さんの新作舞台の時以来の訪問でした。さあいざバストリオでやるとなって劇場を見ると、また違った印象で、10月にやることになる舞台「一匹のモンタージュ」に向けてイメージを膨らませていったりしてました。多分。曖昧な二月。ずっと何かを考えては手を動かしてぼーっとして散歩して忘れていくけど思い切り準備という何かに勤しんでいたはずです。

コタンを歩く
贅沢な宿泊地

三月
○「ちちち」のクリエーション開始でした。この三月という時間はひたすら「ちちち」と、つまり「壁抜けの谷」という小説と、そして山下澄人さんという存在と向き合った日々でした。それは結局は自分自身との向き合いでもあり外と向き合うことと二重になって重なってしまった部分を解くような作業でした。結果がどうなるかなどわからずに沼にハマるような日々をメンバーたちと過ごして、のちに坂藤さんが「戦友みたい」といったような絆が生まれていた、そんな日々でした。これほどクリエーションで模索したのは最初の頃のバストリオみたいで、新鮮に過ごしました。もうきっと三月はこれが全てです。思い出せない。いっぱい発表つくりました。苦しめど、楽しかったのはたしか。

稽古初日
クリティカルな発表のひとつ、よださんと橋本さん

ちょっと思い出せないもんですね。でもまずは三月まで。お茶でも飲んだらまた書きます。次は四月から。ちちちの本番が近いです。

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