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【要約・書評】超・箇条書き/ 杉野幹人

今回は、文章を短く魅力的に書くスキル「超・箇条書き」をご紹介します。

正直に白状すると、…自分は箇条書きを舐めてました。

使う頻度が多いコアスキルなのにも関わらず、キチンと身に付けている人は意外と少ない。

万能なスキルだからこそ、一度身に付けたら一生役立ちますよ。


【解決する課題】超・箇条書き

仕事はテキストに書き残す場面にあふれています。メール、資料作り、議事録、報告書…。

丁寧に真面目に書こうとすればするほど文章量は増え、時間と労力は削られ、挙句の果てには「もっと端的に書けないの?」と上司に言われる始末。そんな経験はないでしょうか?



  • 解決したい課題

    • 文章が長文で冗長になりがち

    • 要点がわかりづらいと指摘されている

    • 議事録がまとめられない

    • 時間内で的確に伝えるスキルが必要

本書ではそのような課題を、箇条書きというテキストで伝える・書く技術で解決する方法を丁寧にわかりやすく教えてくれる本です。

【要約】超・箇条書き


相手に動いてもらいたい時には箇条書きを選ぶ方が良い。

箇条書きが適さないケースもあるが、忙しい経営者や上司に伝えるには適した方法である。


【根拠】①詳しい説明よりも、要点をすぐに理解したい

  • 理由

    • 箇条書きは、読み手や聞き手の情報処理の負担を減らしている。

    • 情報量が多すぎると、逆に読む気にならないし、頭に入って来づらい。

    • 短く、魅力的に伝えることで、結果的に人を動かしやすい。

要点がまとまっていないと、内容がどんなに良くても、聞き手には情報処理の負荷がかかる。

そのため、イライラしてプレゼンの途中で話を止めるというのはよくあること。


【根拠】②箇条書きは、伝えたいことを「羅列化」するだけで完成する

以下3つの要素を加えることによって良い箇条書きに昇華される。

「構造化」とは、相手が全体像を一瞬で理解できるようにすることだ。

内容がどんなに優れていても、全体像がよくわからないと読む気にならない。無視されては元も子もない。

構造化では、相手が全体像を一瞬で理解できるように、伝えたいことの幹と枝を整理する。

「物語化」とは、相手が関心をもって最後まで読み切れるようにすることだ。

読む気になって中身を読んでくれても、引き込まれずに途中で興味を失ってしまうようでは相手には何も伝わらない。

物語化では、相手が関心をもって最後まで読み切れるように、相手のコンテキスト(文脈)を考えて全体の流れをつくる。

「メッセージ化」とは、相手の心に響かせ行動を起こさせるようにすることだ。

相手がすべてを読んでくれても、こちらの伝えたいことがクリアに届かなくては、「伝えた」だけであって「伝わる」には至らない。伝わらなければ、人は動かない。メッセージ化では、相手の心に響くようにそれぞれの文の表現を磨く。

超・箇条書き/ 杉野幹人

【書評】超・箇条書き

【本の特徴】

本書を読んで感じた特徴は以下のような内容です。

  • 箇条書きの書き方に特化して非常に具体的

  • 理論よりも実践重視で明日から使えるスキル

  • 非常に読みやすいのも魅力

  • 新社会人からベテランまで幅広くおすすめできる

【著者】

杉野幹人 株式会社ニューズピックス・ 会社役員

東京工業大学工学部卒。 INSEAD MBA修了。 早稲田大学商学研究科博士後期課程修了。博士(商学)。NTTドコモ、A.T. カーニーを経て、NewsPicks Chief Strategy Officer。 東京農工大学 工学部 客員教授、A.T. カーニー CMTアドバイザー。 著書に『超・箇条書き』等

job.newspics.com

著者はMBAを修了後、コンサルで有名なA.T. カーニーなどを経て。ニューズピックスの会社役員を務める杉野幹人さんです。

コンサルで培われて来た「テキストで伝える力」は本書の中でも存分に発揮されています。

「わかりやすいけど、内容が濃い」という理想のビジネス書でした。

他にもコンサル出身者の出筆されたテキスト系のビジネス書はたくさんあるのですが、

  • スキルの凡用さ

  • 内容のわかりやすさ

この2点からも新社会人や新人コンサルの方にぜひおすすめしたい内容になっています。

著者の意見について

新人の頃のぼくは、丁寧に伝えようとすればするほど、テキストのボリュームが膨大でした。

それを「良いことだ」と考えていたわけです。この書籍ではその認識を大きくひっくり返されました。

記事の冒頭にもあったように、箇条書きが書けるということは次のような場面でも応用が利きます。

応用

  • メール

  • スライド作成

  • 議事録

  • 報告書…など

非常に凡用で応用範囲の広いスキルなので、これを身につけるだけで、いろいろなスキルの力が付きました。

その中でも一番便益が大きいものは、自分の考えを整理するスキルが身につくことではないかと思いました。

この書籍のテーマはあくまで何かを伝えるという「テキストコミュニケーション」にフォーカスしています。

しかし、誰かに何かを伝える場合には、まず考えを整理する必要があるので伝えようとする過程で考えが綺麗に整理されて行きます。

これは構造化のスキルによるものが大きいのですが、箇条書きのスキルはその整理と可視化を助けてくれます。


どんなに頭のスペックが良い人間でも、どこかにその機能の限界があるはずです。

そのパフォーマンスに限りある脳みそを最大限使うためにも、頭の外に書き出して整理するという

補助的な仕組みを、この書籍では得られるのではないでしょうか。

そういった意味で、「伝える技術」と「整理する技術」という1度で2度おいしいビジネス書ではないかと読んでいて改めて感じました。

まとめ

今回ご紹介した部分は本の中の一部です。

簡潔に本のエッセンスを要約しましたが、本書ではより噛み砕いて内容説明がされています。

特に「構造化」の部分に関してはコンサル系の書籍を読んだことがない人には馴染みがないワードだと思います。

詳細についてはぜひ本書をとってお確かめください。



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