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平成深夜コンビニ騒動④中華編

「やめて下さい!あなたは駄目な日本人だ‼️」

深夜コンビニには色んな人が働いてた、今日はその中で唯一の中国人の王君の話をしようと思う。

王君は目鼻立ちもしっかりしているが、とにかく女好きで、女好きが顔に出すぎている位に顔の筋肉が弛緩してデレデレしている顔だか人当たりの良い男前だ。
北京出身で親が共産党の幹部の偉い人らしく、まだ20代だが北京に自分のマンションも車も持っていて、コンビニ仲間が賃貸のマンションに遊びにいったら百万円が束で何個か置いてあった位にお金持ちだった。

そんな金持ちの王君が何故にコンビニの深夜バイトを始めたのかというと、日本語が上手くなる為にバイト仲間とコミュニケーションをとろうとしてたのと、友人を増やそうとしたんだと思う。

王君のもっぱらの関心はモテる事だった。
王君 「太郎丸さん、教えてもらったんだけど女性に初めて話す時に『好きやなぁ、好き者やなぁ、ぶち込んだろかぁ』って言ったらモテるって聞いたけど本当ですか?」
太郎丸 「あ〜、嘘やわ王君。ドン引きやわぁ。多分そんなん万国共通でモテへんと思うで。」
もう王君は散々と直接的な下ネタを悪い日本人に吹き込まれて恥をかいて気付いた後なのか、日本語が堪能じゃないとニュアンスが分からない類の下ネタを教えられていた。
太郎丸 「コミュニケーショ取りにくくても、可愛い人には可愛い、素敵な人には素敵、王君が思う相手の良いところを素直に伝えてあげたら喜ぶよ。コミュニケーショが円滑じゃないからこそ、朴訥な王君の言葉を信じるし嬉しいよ。」

私がそう言うと、王君の目が輝いた。
王君 「太郎丸さん、あなた良い人です!ところで太郎丸さんは風俗に行きますか?」
王君は私の話に喜んで心を開いてくれた、そして中国の高級風俗は美人ばかりで芸能人級がゴロゴロいるから最高だ、中国に遊びに来たら一緒に行こうと目を輝かせてくれた、おそらく感謝の気持ちの表現もエロいのだろう。

それから時が過ぎて、王君は某国公立大学に編入する為にバイトを辞める事になった。
親と大学教授が知り合いだとか、そういうパイプがあるとか言っていたが、何を言われても王君の親から不思議なパワーを感じてたので違和感を感じなかった。

王君 「太郎丸さんにはお世話になりましたので、コレを渡しに来ました。」
そういうと王君は『中南海』というタバコをワンカートン私にくれた、私は初めて見た中国のタバコよりも王君の心遣いが嬉しかった。

王君 「あと、今日は私のフィアンセを紹介します。」
紹介されても困るのと、コイツはフィアンセおったんかい!とツッコミたくなったが、満面の笑顔の王君を見たら失礼がないようにフィアンセに挨拶するかと思った。
太郎丸 「そっか、王君いなくなるの悲しいけど気持ちが嬉しいよ、フィアンセに失礼がないように中国語で気の利いたセリフ無い?」
王君 「うーん、そうですね。それでは私が紹介したら『チーナイトゥ』って言って下さい、あと時間を置いて『チンチバ』って言って下さい。」
太郎丸 「分かった、日本人の紳士さを見せるわ。」

それから彼女が来た、細身で身長も高く目鼻立ちがハッキリして美人だった。服装とメイクこそ少し垢抜けなかったが、お人形さんみたいな印象で磨けば芸能人みたいな美人になるなと思った。
彼女も知らない日本人を紹介されて、どうして良いのか分からず微笑みながらも戸惑っている。
大丈夫、私はエスコートする為に王君に気の利いたセリフを貰っているのだから。

太郎丸 「チィーナイトゥ」
私の挨拶を聞くと、彼女はギョッとした顔でフリーズしている。日本人の私から中国語が出たからか?少し間が空いたので続けた。
太郎丸 「チンチバァ」
彼女は完全にパニックになり王君の背中に隠れた、王君は一人で大爆笑している。
王君 「ウッヒャッヒャッヒャ!太郎丸さん、『チーナイトゥ』は乳首を舐めろ、『チンチバ』はアソコを舐めろって意味ですね。ウッヒャッヒャッ!!」

………⁉️
…完全に嵌められた!悔しい!

自分がやられた下らない下ネタを女性に言わせるのを私に喰らわしてきた!!
もうこうなりゃ日中戦だ!

私はフィアンセの目を真っ直ぐに見ながら言った。
太郎丸 「チンチバ、チンチバ、おいチンチバ❗️」
王君 「やめて下さい!あなたは駄目な日本人だw」

私はそこからチーナイトゥとチンチバを彼女にシチュエーションとタイミングを変えて言い続けた、むしろそれしか言わなかった、途中で少し興奮してきた。
王君は最後は気まずすぎるのか、逃げるように彼女と帰っていった。
日本人の品格のイメージと羞恥心を失うという犠牲はあったが、この戦争には勝利した。

深夜コンビニには思わぬ国際問題が発生する事もあると言う事だ…

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