仕事が辛すぎたから退職届叩きつけてドラ◯ンボール探した俺、難なくドラゴンボ◯ルを7つ集めてシェンロン呼んだけど、明日食べる物が無くてとりあえずシェンロンに求職した1ターン1回単体攻撃のオジサン
第二話:終わらせる地獄
ギュウギュウの満員電車内
席が空きそうな奴の前を陣取る事に命をかけている奴
イヤホンから音漏れさせてる奴
私に触れないでオーラを出してる奴
痴漢に間違われない様に手をできる限り上に位置させている奴
逆に好みの女の近くに立ち電車の急なブレーキで体が触れ合わないから期待している奴
俺は毎朝コイツらを眺めながら電車で会社に向かうのが好きだ。
俺は席なんか座らない。
理由は覚えていないが昔からそうだった気がする。
今ではYouTuberの誰かしらが
『電車で席に座ろうと必死になる人は人生損しています』
みたいな動画をあげてると思うから、それを考えると席に着く事になんか執着しない。
さて、会社の最寄り駅に着いたぞ。
ここでいつも胸が苦しくなる。
多分気圧もあると思うが、そういうルーティーンなんだと思う。
でも大成をなす者は常にハンデを背負っている。それは動画でわかっている。
だからこれは試練だ。
そう。このあとも試練なんだ。
後輩の九素「あ!先ぱ〜い!おはよっスー。部長が探してたっすよ〜」
オジサン「お?ああ!わかった!ありがとな!」
部長のデスクに着くなり俺に試練が降りかかった
部長「おい!王子!お前昨日の見積もり、送料が抜けてるぞ!確認したらお客はもう上に通したからその見積もりで通すそうだ!どうしてくれるんだ!?」
ここで俺は怯まない
オジサン「部長、その見積もりは後輩の九素が進めている案件でして、見積もりに関しては私は関わっておりません。」
部長「はあ?じゃあお前は悪くないって言いたいんだな?そうなんだな?いいんだな?」
九素「先ぱ〜い!やっぱり送料計算するから待ってもらった方がよかったじゃないですか〜!
僕のところに今運送屋からの見積もりきましたよ〜」
は?
コイツらは何を言っているんだ?
というかいつもそうだ。
俺が関わっていない案件で何かミスがあると何故か俺の責任にすり替わっている。
確かに九素からは「見積もり確認して下さい」と見せられたが、この件について送料の見積もりを取れって指示したのは俺だ。
でもわかってる。
この流れはもう九素が根回し済みなんだろう。
こうなるともうどう覆すこともできない。
時間がかかったが俺は理解した。
オジサン「わかった!もう俺やめるぞ!!俺はやめるんだ!!これは俺が主役の夢で他は全て俺が見ている実体のない事象だ!!よっておれは自由でおれはおれで決める!!おれの人生をはじめる!!」
俺は走った
部長「.....おい!!!待て!!!」
九素「え、バズるかなこれ」
第二話 終わり
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