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また明日

 『また明日... あなたを

 抱きしめる約束さえも

 出来ないなら

 今はただ 限りない愛で

 あなたの事を包みたい

  もう2度と…この手で

 抱きしめてあげる事さえ

 出来ないなら

 あなたを苦しめる

 すべて消す事が出来たなら』



がんで入院中。

偶然、再放送でやっていた

ドラマの主題歌。


もうですね。

めちゃくちゃシンクロして、

病室で、

声を殺して泣いていました。


毎週末。

妻と、6歳と3歳の息子たちが

見舞いに来てくれる。


車で片道1時間。

毎回、私と一緒にご飯を

食べられるように、

準備をしてくれる妻。

疲れたそぶりも見せず、

感謝してもしきれません。


とっても幸せな時間でした。



帰りの時間。

息子たちが、ギュって、

抱き着いてきます。


「明日、帰ってくる?

 もう、帰ってくる?

 いつ、帰ってくる?

 これで、おしまい?」


 「もうちょっとだからね。

 もう少し、待っていてね。

 大丈夫だからね。」

と、笑顔で返す私。


 寂しそうに、グズりながら、

「またね!」と帰る家族。


 この言葉が、結構、

キツかったです。


 果たして、次に会える時、

笑顔で迎えられるのだろうか?


これから先、あと何年。

私はこの愛する家族の笑顔を、

楽しい時間を、一緒に過ごすことが

できるのだろうか?


不安で、たまらなかったです。



今思うと、なかなかに見事な、

「悲劇のヒーロー」を

演じていましたね(苦笑)


がんになって、根治不可と言われ、

5年生存確率も言われて。

間もなく10年。

「明日が来ることのキセキ」を、

目の当たりにできることに、

本当に感謝しています。


 生かされているおかげで、

息子たちも16歳、13歳、7歳になり、

毎日の成長を見守ることができます。


 当たり前のことに感謝し、

暮らせるようになりました。


ただただ、感謝です。


今なら、笑顔で言えます。


「また明日」


最後まで読んでいただき、

本当にありがとうございました。

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