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金を削ったり見直したり ─2023/02/25

ゆるゆると起動。11時半ごろに自宅を出る。
目的地は高田馬場にある芳林堂書店。芦花公園(これが著者名である)氏の最新刊『聖者の落角』のサイン本が売り出されているということで買いに行った。


でかい販促

実は近所の書店で1冊購入してしまっているんだけれど、根っからのコレクター気質なのでやっぱりサイン本が欲しくなっちゃった。

このコレクター気質という一種の持病みたいなものを、金遣いをもう少し抑えよという気持ちがある一方、この心がけを大切にしていきたいという気持ちもあるため、脳内では常に天使と悪魔が戦っている。悪魔の勝率が今のところ9割くらいなのだが。


で、店内を物色していると、かねてから読みたいと思っていた荒巻義雄『小樽湊殺人事件』のサイン本が平積みされているのを発見。これは「いま買え」という神の言葉だと神をダシにして購入。かように自分にとって都合の良い神など存在するわけがない。



ホクホク顔で移動。

東京ステーションギャラリーで開催中の「佐伯祐三 自画像としての風景」を観た。


手前のやつ(名称がわからない)が邪魔

大好きな画家のひとり、佐伯祐三の回顧展。本展で初公開された作品もいくつかあり、大満足な内容だった。

1898年に大阪で生まれ、東京美術学校西洋画科で学び、卒業した1923年にパリへ渡った佐伯はフォーヴィスムの巨匠ヴラマンクに「このアカデミック!」と斬り捨てられてしまう。彼はそれまでの作風を捨て、その後独自の境地へ至るのだが、1928年に30歳という若さで亡くなる。そして後世にまで語り継がれる芸術家となった。

この時代に観られた力強い筆致で描かれる野獣派(フォーヴィスム)に近いスタイルだが、それに比べると写実的なところもみられ、特に大阪・東京・パリの街角に観られたのであろう陰鬱とした表情を切り取った。
たとえば青空であっても、けっして抜けるような青ではなく、少しくすんだ青で空の色を表現している点など、鑑賞者が少し不安定な気持ちになる作風である。


土曜日なので人が多かった。特に高齢者が。
ぜったい自分よりお金を持っている世代が自分より安く入館しているのを見ると、だからタンス預金が増えて経済が回らないんだなーと思う。少なくとも美術館にはシニア料金なんかいらない。爺さま婆さまは美術館が好きな人が多いんだから、まさにそこのシニア世代から頂いていかないとダメなんじゃなかろうか。

なおかつ、その分を学生に還元してあげてよ! とも思う。現状でも学生料金はあるけど、例えば適用範囲が高校生までだったりとか値引き幅がシニアよりも小さいとか結構あるんだよね。アーティゾン美術館(元ブリヂストン美術館。全面改装して2020年にリニューアルオープン)なんて学生無料だもんな。すごすぎる。そういう館がもっと増えたらいいのになあ。自分が学生だったら授業ない日とかめちゃくちゃ観て回ると思う。



夜は高校の友達と飲んだ。
月1ペースで会ってるのでとりたてて話すこともないけど、だからこそ生まれてくる中身のない話をずっとしているのが楽しい。
最近「飲み会というか遊興費は極限まで削れ! 無駄な飲み会なんて行くな!」みたいなのをよく見かけるけど、それしたら本当に人生がすっからかんになって終わる気がします。なんのために生きているのかわからなくなりそう。そういうところを見なおす前にもっと家計の部分を見なおします。

結局、飲み会に行きたくないからそう言っているだけなんじゃないの? という”そういうことを言う連中”への邪推。




(終)

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