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初コミケ参加で初一人販売という試練

大晦日、コミケで豆本を販売していた。ボスが38℃を超える熱を出していて、オレも熱こそ出ていないものの体調が悪かった。オレ一人で販売と接客!? 無理無理無理。正直、バックれようかなと思ったけれど、気の迷いから仕事をすることにした。

まず、始発の電車に乗ってアトリエに行き、ボスから商品が詰まったキャリーバッグを受け取る。そして、超満員のゆりかめもに何とか乗り込んで東京ビッグサイトに到着。ちなみに昨夜は一睡もしていない。オレすげえ。

ボスは病院に行ってインフルエンザでないことがわかったら、合流すると言っていたが、かなり体調は悪そうだったので腹をくくった。自分一人で何とかするしかねえ。幸い、同僚のくまこさんが別ブースで自分の作品を売っており、陳列方法を含めていろいろ手伝ってもらった。くまこさんがいなかったらやばかった。

商品知識がないので陳列する商品を限定した。自分が説明できるものに絞ったんだ。それでもお客さんが来ることが怖かった。「来るな、来るな、絶対オレのブースに来るんじゃねえ」オーラを出していたが、商品の魅力に引き寄せられるのか、お客さんが寄ってくる。

以前、同じく東京ビッグサイトでおこなわれたデザインフェスタでボスと一緒に販売の手伝いをしたことがあった。そのときのボスの商品説明やお客さんの声のかけ方を必死に思い出した。数人目のお客さんが6500円の商品を買ってくれて少しホッとした。

よく洋服屋さんなどで店員に声をかけられると買う気を失うということを聞くが、豆本の場合はちがう。初見で構造を理解できる人が少ないから。まず、オレの手で豆本を展開してドールハウスにトランスフォームする姿をみせる。それだけでたいていの人は驚く。これは老若男女問わず、だ。

お客さんが来るたびに声かけができればいいが、やはり声が出ないこともあった。それは経験不足だと思う。もちろん、自分の体調も悪かったこともあるだろう。それでも商品に魅力があるので売れていく。中には、「この前テレビで放送されていたやつだ」と買っていってくれた人もいた。

ボスの知人も寄ってきてくれたときは、「いやー、ボスが体調不良でして……。僕は商品知識がないので『お客さんに来ないでくれー』とずっと思っているんですよ」と言ったところ、みんな笑いながら励ましてくれた。

ボスはインフルでないのでこちらに来てくれた。だけど、大粒の汗をかいているから心配。それでも、慣れたもんでつぎつぎとお客さんがボスの声かけに立ち止まり、買っていく。

コミケは、10時から16時まで販売できる。ボスは14時に来た。オレは朝5時に電車に乗って休みなくやっていたのでホッとした。昼飯も食べてトイレにも行った。コミケのトイレが混んでいるから漏れそうになってびびった。コミケに初参加だからこういう知識がない。周りがアダルティなマンガを売っていて驚いたしな。

ホント、自分はよくやったと思う。くまこさんも「来ないかもしれないと思ったわ」と言ってたけど、オレも同感。何で行けたんだろ? 何でバックレなかったんだろ? でも、元々人への期待値が低いとこういうときによくやった感が出る。多くの悪行に手を染めたヤンキーが、たった1つの善行で評価が一変するように。

商品知識があれば、もっと高額な商品を陳列できたのになあと思った。いい商品なら値段関係なく売れるんだもん。前職場で競争力がない商品を売る立場だったのでそれは痛感する。その意味では、ある意味楽。自信をもってお客さんに勧められるし。モラルに反することがないから自分の良心が痛まない。自爆営業することがないから自分の懐も痛まない。良いこと尽くめ。

帰宅後は疲れで頭が痛くて痛くてうめき声を上げていた。吐き気もして気持ち悪い。熱はない。この症状、副鼻腔炎でひどかったときと似ている。たまらず耳鼻科で処方された薬を飲んだら、けっこう良くなった。

まあでも、ちょー経験値を積んだような気がする。圧倒的成長。


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