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散文まとめました

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#遠距離恋愛

<散文>触れる声

あなたを独り占めできたとして 初めのうちは どうしたらいいか 分からなくなりそう ただの熱い塊に成り果てた私を あなたから触れて欲しい 「ねえ、どうして私のこと知ってるの?」 だんまりはもうダメだよ ゆっくりでいいから教えてね 話さなくても わかってることでも  声に出したら 楽しい答え合せの時間 くすぐったい心 隠し切れていない その赤い耳を いたずらに触れてしまいたい 「ねえ、もう触ってもいいんだよね?」 こんな問いかけも すぐに消えて ゆるい空気とあなたの声

<散文>知らない

どうしてこの街に来たの?と聞かれても 毎回笑って嘘をついてる 私とあなたしか知らない答え ただ側にいてくれたらいいのと 穏やかな気持ちで大体過ごしている 今日はハイビスカスが2つも咲いたし 風も気持ちいい あなたは今日何してるんだろう 私はあなたを何も知らない その人から返事はあるの?と聞かれても うん、ないよと言うしかない 私は嘘はついてはいない 本当はあなたとしたいこと沢山 近頃のニュースよりいいかげんな私 ご飯の盛り付けはちょっと雑だけど 味はそんなに悪くない