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AW3821DW を買った①

タイトル通りで Alienware の38インチ湾曲ウルトラワイドモニタ AW3821DW を買った。ウルトラワイドや AW3821DW の魅力が伝えられたり、購入の際の一助となればと思う。

スペック

サイズ:37.5インチ
解像度:3840 x 1600(≒21:9)
DPI:0.229mm
曲率:2300R
リフレッシュレート:144Hz
パネル:NanoIPS
G-Sync:G-Sync Ultimate
色域:DCI-P3 95%
価格:178,178円(税込)

今回は届いた当日ということで、サイズ感を主にまとめていく。後日、ゲームと仕事、その他用途で使ってみた感想についてまとめる。

次回→ AW3821DW を買った②

買った理由

個人的な理由しか書いてないので興味ない人は飛ばして構わない。

これまでは以下の3枚のモニタで仕事とゲームをやっていた。

 ・EV2456, 24", 1920x1200, 60Hz
 ・BDM4350UC/11, 43", 3840x2160, 60Hz
 ・PX-5 HAYABUSA, 24", 1920x1080, 240Hz

仕事は中央に置いてある43インチをメインに、ゲームは右側に置いてある 240Hz モニタをメインにして過ごし、それぞれをやっているときはそれはそれは快適だった。3画面構成は偉大。が、いかんせんやることを切り替える際に移動が必要だったのがあまりにめんどうだった。メインモニタの真正面に座りたかったので、ゲームをするときは椅子やキーボードなどを右側に寄せ、仕事をするときは椅子やキーボードを中央に移動し直していた。ゲーム用モニタではリフレッシュレートを、仕事用モニタでは解像度を求めていたのだが、GPU のスペックや当時のモニタのラインナップでは1台で自分の要望を満たすものはなかった。そのため、移動を承知の上でこの構成にしたのだが、実際やってみるとこの切り替えはかなり億劫な作業だった。

というわけで、仕事にも使えるレベルの大きさと解像度を持ち、リフレッシュレートもゲーム用として最低限の 144Hz を持つ AW3821DW を買った。これをデスク中央に置いて共通のメインモニタとして使うことで、仕事もゲームも同じポジションでできるわけだ。

また、購入の動機のもう一つは、アメリカで仕事をしていたときに同僚の多くが34インチの湾曲モニタを使っていたのを見て、もともと湾曲への関心が高かったことだ。4K ではなく、なぜあえて湾曲ウルトラワイドを使っているのだろうというのがずっと気になっていた。これから AW3821DW を使っていき自分なりの答えが見つかったら次回日記に書こうと思う。

ちなみに、34インチのウルトラワイドも候補ではあった。ただ、仕事用としては小さく感じたので、海外でけっこう売られている38インチをずっと狙っていた。最近まで LG の 38GN950-B、Alienware の AW3821DW ともに国内で販売されていなかったが、先々週 Dell から国内販売がアナウンスされ12月2日に発売された。ありがとう Dell。実は Dell アンバサダーに登録しているのでこの日記はその個人的活動の一環でもある。

38インチ湾曲ウルトラワイドのサイズ感

38インチのウルトラワイドというとどういったサイズなのかわかりにくい人が多いのではないだろうか。家電量販店でもかなり大きなモニタコーナーを持つ店舗でない限りウルトラワイドの現物は見られないと思うし、あってもそのほとんどが34インチのウルトラワイドのはずだ。

そうなると、自分で38インチってこれぐらいかなと思い浮かべるしかないので、ここからは自分が購入前に考えた方法をまとめる。AW3821DW 表示部分のサイズは公式サイトで公開されているドキュメントを参照すると以下のとおりだ。

縦:366.5mm
横:874.3mm(ただし、弦の長さ)

このサイズを一般的な 16:9 のモニタと比較して以下のように考えると自分ではイメージしやすかった。

まず、縦幅は下の図のように30インチモニタとほぼ同じだ。モニタだと32インチが主流で30インチはややイメージしづらいが、30インチの左右を約 10cm ずつ広げると38インチのウルトラワイドに近くなる。

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一方、横幅が最も近い大きさのモニタは下の図のように40インチモニタだ。40インチモニタの上下を約 6cm ずつ狭めると38インチのウルトラワイドに近くなる。

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家にあるモニタで近いサイズがあったらやってみて欲しい。

他にもメジャーなゲーミングモニタのサイズと並べて比較すると以下のようになる。ただし、ここまでの図はあくまで表示領域のみを図示しているので、実物はベゼル分大きくなることに注意されたい。

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細かい話になるが、模式図で参考にしている AW3821DW の横幅 874.3mm は曲面の弦に相当する長さであるため、厳密には表示領域の横幅はほんのわずかにその幅より大きい。実際、ドキュメントでは弧の長さは 879.7mm あるので弦に比べて 5mm ほど長い。つまり、筐体の横幅は 874.3mm だが、表示領域の横幅はそれより大きい 879.7mm あるということだ。これが湾曲のメリットで、筐体の横幅を広げずに表示領域を増やすことによって視点の移動を少なくできる。湾曲モニタを上から見ると下の図のようになる。湾曲させればさせるほど、同じ筐体幅の中で表示領域を大きくできるというわけだ。

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ただ、AW3821DW は 2300R という曲率、すなわち半径 2.3m の円弧を描いており、かなり緩やかなため筐体横幅に比べて 5mm ほどしか表示領域が増えていない。湾曲モニタの中には SAMSUNG の出している Odyssey G9 の様に 1000R というすさまじい曲率のモニタもある中で、この緩やかな湾曲が果たしてどのような感触なのか、仕事とゲーム両方の面から感じたことを次回日記に書く予定だ。


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でかい。先程も言ったようにモニタの縦横が 500mm x 1000mm 程度あるのでナチュラルにでかいことに加え、実は奥行きも 300mm 近くある。だから箱が3次元的にでかい。冷蔵庫みたいだ。モニタの箱は売ったり故障したときのために取っておいたほうがいいと思ってるので、机のサイズ以外に押入れなども確認しておくことを推奨する。ちなみに重さもかなりあって箱全体で 19.3kg。自分で持って帰る場合は頭に入れておこう。

スタンド

箱を開けると、最初はケーブルなどの付属品がまとまった箱とスタンドが入っている。

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写真で見るとわかりにくいがスタンドがとにかくでかい。湾曲していると手前に本体が出っ張っているため、重心が手前に寄ってしまう。それによる転倒を防ぐために足が左右に広くかつ、前にせり出した形状になっている。

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スタンドの奥行きは 293.5mm、横幅は 599.6mm。奥行きがかなり必要なので、デスクの奥行きが短い場合は足がマウスパッドやキーボードに干渉するのは避けられないと思う。比較用に写したフルキーボードが小さく見える。

このスタンドで個人的に気に入っている点は、ケーブルをまとめるための機構が見た目を意識して作られている点だ。一般的なモニタでもケーブルをまとめるための機構がついていたりするが、ただケーブルを軽く束ねるための輪っかが付いているだけというのが多い。AW3821DW は束ねるだけでなく、スタンドの中を通して足元からケーブルを出す設計になっており、ケーブルを徹底的に露出させないようなデザインになっている。

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後述する I/O カバーと組み合わせることで、ケーブルをきれいに隠せているのがわかる。白を基調としたこのデザインにおいて、それを邪魔する黒いケーブルを隠せるような機構になってるのは、レジェンドデザインと名付けてデザインにこだわりを持っている Alienware の工夫が見て取れて好きだ。

スタンドの可動域は通常利用で困らない程度あり、スイーベルが左右20度ずつ、チルトが手前に5度、奥に21度傾けられる。高さは 11.4cm 昇降できる。ピボットは残念ながら横長すぎて非対応。実際問題、湾曲で縦置きは湾曲の向きと合っていないと思うので、個人的にはする可能性は低い。

モニタ本体

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スタンドを組み立てるとその下からモニタ本体が現れる。モニタ本体の重量は 7.9kg。VESA マウントの 100mm x 100mm に対応している。ケーブルを接続する I/O ポート周辺部は黒くなっているが、接続後にそこを隠す I/O カバーがついているため、背面は中央を除き白一色になる。

スタンドを褒めちぎったが、実用性を考慮してエルゴトロンLXを使う。LX の耐荷重範囲には入っているが、対応サイズはオーバーしてるので不安だったが特に問題なく保持できた。ただ、あくまで範囲はオーバーしているのでやる際は自己責任で。

セッティングしてみると

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やはり湾曲は近未来っぽくてよい。デスクが白いのでカラーリングもマッチしてると思う。裏だから見えないけど。

いい感じ。

1時間ぐらい使用した感想

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大きさはかなり予想通りで、縦が程よく短いので43インチでゲームするより断然ちょうどよい。それでいて横は目一杯広がっており、ほぼ視界が埋め尽くされる。ゲーム用のサイズとしてはほぼほぼ予想通りの感覚だ。

さらに想像を上回ってよかった点が湾曲だ。曲率は 2300R と緩く開封直後は普通に直線だなという感触だったが、ゲームをしてみると湾曲のもたらす没入感は甚だすさまじい。43インチでやっていたゲームより迫力がある。画面全体が自分に向いているかいないかは、映画館とアトラクションぐらいの違いがあると思う。普段はゲームで一切酔わないが、視点全体が動くアトラクションの感覚がして若干酔いそうだった。

GPU が 1080Ti と貧弱なのが不安だったがそれなりにフレームレートも出たところも安心。

また、NanoIPS による発色の美しさは息を呑む。これはゲームによってだいぶ異なったが、特に印象的だったのは Destiny2 だ。マップ全体や宇宙空間の表現の細かさと色鮮やかさはもはや自分の語彙では表現できない。あてにならないが、CEATEC で見た 8K テレビにも引けを取らないのでは?という感じすらある。この綺麗さで 144fps のゲームができるのだからたまらない。

今回はここまで

これから1週間ぐらい利用してみて、仕事とゲーム、その他普段使いで感じたことを次回の日記にする。興味があったらそれも読んでくれると嬉しい。また、試して欲しいことがあったらコメントに書いてくれれば可能な限り試す予定。他にもここまでで AW3821DW に関わらず質問があればコメントしてくれれば回答する予定。

最後に

12月2日から7日までの間、Dell 公式ストアでの購入時に 25%OFF のクーポンが利用できる。さらに、なぜかよくわかってないがクーポン以外にデフォルトで ¥37,820 の値引きが入っており、12月7日までなら定価 ¥199,800(税抜)のところを ¥121,485(税抜)で購入可能だ。

値引き率を単体で見ても驚異的だが、それ以上に38インチ最大のネックだった割高感が解消されたのが非常に大きく、迷わず購入できたのはこの値引きのおかげだ。AW3812DW 販売発表前に自分が38インチについて調べていたとき、38インチはとにかく割高すぎるという印象だった。なぜなら同スペックの34インチが10万円前後の実売価格なのに対し、38インチは16万円超が相場だったからだ。たったの4インチ大きくするために5万円近く上乗せするのはかなりの抵抗感があったのだが、この値引きによってインチアップに対する値上がり幅が常識的な範囲に収まっていると感じる。むしろ、実際に日本で売っている34インチの鉄板モデル 34GN850 や AW3420DW が実売価格10万円前後ということを考えると、38インチでこの価格であれば34インチ購入を考えていた人の購入候補にすら入ってもおかしくない。

これから他のゲーム系ブログや別の個人ブログなどでも様々なレビューが出てくるだろう。興味が沸いた人はいろいろ調べてみるとよいと思う。

次回

AW3821DW を買った②


追記

コメントありがとうございます。以下、いただいたコメントに関して自分なりの感想を述べます。

ファンの音

基本的なモニタの利用シーンでは聞こえないと言っていいと思います。確かにモニタの天面と背面中央に通気口があり、そこに耳を当てるとファンが回っている音が聞こえますが、そういった通気口以外の部分(モニタの正面や背面の38の刻印の部分など穴が開いていない部分)では、耳をモニタに直接つけてファンの音を聞こうとしてやっと聞こえる程度の音量です。したがって、モニタの正面に座っていれば聞こえないと言っていいと個人的には考えています。

また、このファンの音量はゲームのグラフィック設定を変えても差があるかどうか聞き分けるのは困難で、常時一定のように感じました。逆にゲームをしてない状態でもファンの音は聞こえたので、常にファンは回っているように感じます。ただ、ファンが回る条件に関しては詳しい検証をしたわけではありませんが。。。

また環境依存となりますが、一般的な空冷式の PC をお持ちの場合は PC のほうが圧倒的にうるさいため、それにかき消されるケースが多いとも感じました。PC を別の部屋に置いていて AW3821DW だけが部屋にあってほかに加湿器など音が鳴るものがない、といった状態で耳を澄ますと聞こえそうというレベルのように思っています。

念のため、海外のフォーラムも何件か見てみましたが、私の見た範囲ではファンがうるさいという意見は一つもなく、むしろ「驚くほど静かだ」「ファンがあると知っていないとわからない」というような肯定的な意見しか見当たりませんでした。

これらのことから私としてはファンのノイズが心配というのは気にしなくてよいと考えています。

仕事で使った感覚

まだ1日しか使っていないため、少ないですがよかった点と悪かった点をまとめます。

まず、よかった点は湾曲とウルトラワイドのアス比により、作業スペースが万遍なくとれることです。以前は 4K の43インチを等倍で使っていました。作業内容はコーディングがメインで、それに次いで動画像解析とスライド作成が多いです。43インチに比べると画面の四隅のエリアがだいぶ見やすくなり、画面をより広く使えるようになったと感じています。

図示すると下のようなイメージです。

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AW3821DW は集中して見られる赤丸の範囲がモニタ目一杯あるというような印象を抱いています。

以前の43インチだと画面の大きさに対して距離が近いことと、4K 等倍という文字の小ささから画面四隅の情報が見にくく、ツールバー・タスクバーを使うアプリの利用に苦労したり、そのためせっかく広いのに中央にウィンドウを寄せて使っていることが多かったです。また、高さもかなりあったためモニタ上部は見上げる必要があり、作業しているときの視界にはあまり入ってきませんでした。結果的に、上図左のような赤丸の範囲だけで作業し、残りはただ表示しているだけ、というような感触を持っていました。

一方、AW3821DW はわずかですが湾曲し少しだけ自分のほうに向いているため、画面の隅々まで見やすいと感じました。湾曲のおかげで光の反射が少し減る影響もあると思います。それに加え、首を上下させずに縦幅すべてを見渡せる大きさのため、アプリをフルスクリーンで利用しやすくなりました。結果的に、上図右のように画面全体をまんべんなく作業スペースとして利用できるようになったと感じています。

AW3821DW の肩を持ちすぎている気もしますが、湾曲による四隅の視認性の改善と、21:9 という目線の横移動だけで画面全体を見渡せる適度な大きさが非常にいい感じです。作業範囲の向上度合いだけで比較すると、四隅が使えるようになっただけであまり向上はしていないかもしれませんが、気軽にフルスクリーンまたはハーフずつにできたり、マウスの移動距離が短いなどその他細かいメリットもいくつかあるように感じています。ただ、私の感想はあくまで43インチとの比較となってしまうため、買い替え元のモニタによっては全く別の感想を抱くかもしれません。

一方、悪い点は直線がわかりにくくなったことがまず挙げられます。湾曲しているのでしょうがないことですが、並行を取る際に少し苦戦したことがありました。ボーッと見てると直線なのですが、集中して線を見ると湾曲に気づいてしまい「あれ、これ平行か?」となることがありました。デザインなどをやる方はやはり湾曲は向いていないかと思います。

次に悪いと感じた点は、ウェブカメラを選ぶ点です。画面が分厚いのでウェブカメラによってはモニタの上に挟めず固定できないものがあるはずです。私が使用している c270n は最大まで開いてギリギリ挟めました。

最後の点は外付けディスプレイとして HDMI を利用するとき、HDMI2.0 以降が必要になることです。これは AW3821DW が悪いというより、ウルトラワイドの要求スペックが高いことに起因するので、むしろユーザ側に責任があるとは思います・・・。HDMI2.0 出力ができないノート PC はネイティブ解像度(3840x1600)で画面拡張ができません。ケーブルとノートPCの出力ポートに依存するので後者であれば諦めるほかありません。ちなみに手元の PC で HDMI1.4 で拡張すると最大 1080p で、16:9 出力の左右は黒帯となってしまいました。会社貸与の PC が低スペというのはよくある話なので、仕事で使おうと買ってみてこれに直面する方は一定数いるだろうと感じます。

次回日記を書くまでにこれ以外に抱いた感想があったら、次回の記事に書く予定です。


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