推しがわたしを捉えた

前回の続き。
この手の話はたぶんわかるひとにはわかるけど
わからない人にはさっぱりわからない話と思われる。

私にとっての初ライブの赤坂BLITZの翌月、
9月にZepp札幌で単独無料ライブがあった。
お世話になっていたお姉さんが、
「来るならインビテーションもらうよ」
「インビテーションもらえるから来なよ」
どっちだったか忘れたけど、とにかくインビテーションが手に入るので
ライブを観に行ける!
それはもう喜んで行きますと言って、参戦することになった。

2階席に行くと、当たり前だけど皆座っていた。
お姉さんは、
「一人で立って前で観なよ。そのほうが目立つから」
と言って、わたしだけを立たせて観るように言った。
2階席には本当にファンは誰もおらず、関係者のみだったようで
ライブが始まったあとも、誰かが立って観ることはなく
わたしはずっと一人で柵に捕まって立って観ていた。

当然目立った。
関係者席で、ひとりだけ立ってステージを観てるのだ。
明らかにファンだろう。
TETSUさんが何度も2階席のわたしに目を向けた。
推しが、初めてわたしを捉えた日だった。

ライブが終わり、あわよくば挨拶など?と思っていたが、
ちょっとした理由があり、それはなかった。
それでもよかった。
これで、手紙に書けるのだ。

あの日、ひとりで立って観てたの、わたしです。

と。


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