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旅猫リポート 心があたたまる
猫視点
「ナナ」(オス猫)はサトルに拾われてはや5年、とても幸せに暮らしていました。しかしサトルがナナと離れる事を決意し銀色のワゴンに乗り込み、ナナの貰い手を探す旅にでます。少し引用して
悟「ナナ、ごめんな。お前を手放すつもりはなかったんだけど」
ナナ「いいよいいよ、気にすんなよ。僕は物の道理の分かった猫だよ」
引用部分を書いているだけで、すでにぐっと来てしまいました。この会話部分ですが、もちろん「悟」に猫語はわかりません。しかし「ナナ」は理解している、という流れで続きます。
「ナナ」の語り口調は面白く、視点もすこし高飛車な猫の視点で進むので、猫を飼っている方なんかは「ああ、そんな感じだよね(笑)」と同調できる雰囲気があります。この会話が余計に「ナナ」の存在を愛おしく感じさせます。
「幸せとは」な題材
読んでいく中で「悟」の人生の悩みや「ナナ」の支えが出てきます(そう感じています)。
この旅はお互いの大切さを確認できる旅になっており、「悟」も手放すにあたって「本当に信頼できる人」に連絡を取り、地域関係なく長期間運転し訪問していきます。これは「悟」の不幸な生い立ちが影響している為ですが、明るく優しい性格と「ナナ」への愛情が良く現れています。「ナナ」の言葉は理解できていませんが、再々話しかけなんとなく会話が成り立っているように見えます。
「ナナ」へ愛情を注ぐ「悟」、そのお返しもやはり「愛情」なのでしょう。
あったかいを思い出す
ぴったりの言葉は思い浮かびませんが「あたたかい」です。疲れた時にも読みたい一冊。この作品は世界で翻訳されており児童書・絵本・映画等にもなっています。国・年齢問わず幅広い方々に支持されており、私自身も間違いなく読んでほしい一冊です。
これは「悟」による旅ですが、「ナナ」が綴るリポートだと思っています。
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