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『暑寒を制す』㉓究極の省エネ概念である「間接省エネ」には数字に表せないメリットがたくさんあった。間接省エネに「副産物」がまた秀逸だった。

「間接省エネ」を実施すれば、電気代の削減という形で効果がはっきりと目に見えてきます。これは「間接省エネ」に限らず「直接省エネ」も同じです。

しかし「間接省エネ」には「直接省エネ」にはない、「間接省エネ」特有の特徴がいくつかあったのです。

まず大きいのは、熱射病の予防です。これは効果絶大です。
夏場のニュースでは、エアコンをかけていたのに高齢者が熱射病で病院に搬送された、などということもよく耳にします。
エアコンを効かしていてもとくに窓際などはかなり暑いですよね。

これは前に説明したように、電磁波がガラスを通してガンガン入ってきて、住人により多く熱を発生させてしまうから。

単に室温を上げない、ということだけでなくカラダの温度を上げる電磁波の侵入も制限できるのが遮熱の大きな特徴なんです。

とくに高齢になると温度感が鈍くなるので、室温が低くても輻射熱にやられることが実は多いのです。

それにエアコンが好きでない高齢者も結構多いとのこと。そんな環境に本当に役立つんです。遮熱の技術は。

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そのほか「間接省エネ」というよりは基本となる「遮熱」の技術が及ぼす効果で特徴的なのが、商品の品質向上や品質保持が見込めることです。

たとえばボイラーなどに施工すると熱効率が上がるので、省エネには当然なるのですが、それだけでなく商品の品質向上につながります。
温度の立ち上がりがよくなるので煮物など、熱を通すモノの品質が上がるそうです。

また、ボイラーからの放熱が減るのでボイラールームの温度上昇を防ぐことも可能です。

さらに赤外線はもちろん紫外線もカットしますから、倉庫などに設置すると庫内温度が安定し、かつ紫外線の照射を防ぐので品質効果に絶大な効果を見せてくれます。

地球上のあらゆる物体の劣化を進めてしまう紫外線の侵入を防ぐだけで、商品の劣化スピードを遅らせることができるのは大きなメリットになるでしょう。

また空間が広すぎて空調をかけにくい、あるいは効きにくい倉庫などでも環境の改善が進みますから作業環境の改善につながるという意味でも大きな効果を生みます。

このように遮熱の技術には熱を制御して電気代を削減するだけではないさまざまな効果を発揮するのです。

次回は、冬場の間接省エネを考えることで年間を通じた省エネについて考えてみます。

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