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パート3 演技の為のカレーライス脚本解釈術(カレーライス脚本解釈術9)

「ホンが読めない」から見つけた解釈の全体像は改めてこちらです。

1.作品のやりたい事を掴む(構成から)

2.キャラクターを読む

 文字だけ見ると新しい事は何もありませんが、パート2の中で見た具体例によって、皆さんの中で少しこれまでとイメージが変わっている事を願います。

 イメージを持ってもらう為に再びカレーライスに例えます。1でできあがりをイメージしつつ自分の分のライスを調達。2でカレールーと他の具の分析。これまで言ってきたように、この後の段取り、自分の具の調理の仕方についてはたくさんの情報がありますので、それまでを解説していきます。

 名付けて「カレーライス脚本解釈術」。……。

 全体の作業の中でわかりづらい部分が出てきたら、ひとまず次の段階を進んでください。元に戻れば見えている事もあると思います。全体全体をウロウロしているうちにフワフワだった地面が固まっていく、そんなイメージでよいと思います。

 作品のやりたい事を捉える為に

 作品のやりたい事を捉える作業を、カレーライス提供の過程の中で、ライスを調達する事とします。なぜ、ライスとしたか。おいしく炊く事はとても大事ですが、誰が作ってもお米はそこまで味は変わりません。米農家の方とお米マイスターの人に怒られそうですが、少なくともカレーに比べたら味のバリエーションは少ないはずです。(ああ、そうだ、お米マイスターの人と話をした時に、「炊き方によってはノンブランド米がブランド米ぐらいおいしくなるの」と教えてもらった事がありました……。)

 解釈を人任せにする言い訳に恣意的要素が「利用」されている感じがあるので、自分で準備して、自分で持って行ける物ですよ、味も皆とそれほど変わりません、という意味を込めて「ライス」に例えています。

 物語解釈と構造解釈はほぼ同時に進められると思います。なぜなら、物語の構造そのものが「物語のやりたい事」を捉える手がかりにもなるからです。

 英語の語順に依拠する文法に似ている所があるかもしれません。日本語と違って順番そのものが意味を成すところがあります。

 Ken ate the lion.

 The lion ate Ken.

 同じ単語が並べられていても意味がまるで違いますね。構造(配置)を無視できない。

 1.「構成」解釈のイメージを共有

 まず、最初に「構成」のイメージを共有してください。

 まず、当たり前すぎて触れられる事はないですが、独立した作品か、シリーズ作品か、連続か、長尺か短編か、何人のキャラクターが出てくるか、など、大きな枠も演技に影響してくる事を忘れないでください。それも解釈の作業の一つと言えるかもしれません。

 一般的には、みなさんの中に物語の構成の解釈と聞くと、起承転結はどこかを確認する、と思っている方がいるかもしれません。私自身がそうでした。脚本を書く仕事の前はテレビでドキュメンタリーや旅番組を作っていたのですが、担当していたのは「秋田」とか「銀座ランチ」とか、大きな番組のコーナーだった事もあり、そのような現場では起承転結さえ取り逃さなければ事が足りていました。

 その後脚本の勉強を始めたのですが、物語は4次元の、時間的に変化する構造物だとわかりました。わかりづらいので例を出します。

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