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HARUOMI HOSONO『SAYONARA AMERICA』

細野さんの音楽は、50年という歳月の中、興味の赴くまま、あらゆるジャンルを渡り歩いている。
はっぴいえんど、細野晴臣、YMO、SKETCH SHOW、映画音楽。
ロック、フォーク、テクノ、エレクトロニカ、民族音楽、ブギウギ、カントリー、アンビエント。
歴史や知識が裏付けされ、その全てに厚みと説得力がある。
安定、変わらないこと、同じことを続けることは素晴らしいけれど、流れに身を任せて色々やっていた方が聴いてる方も面白い。
音楽が雑食になったり、変わり続けるくるり(岸田繁)が好きなのも、原点は細野さんの影響なのかも知れない。

細野さんの話し声は、英語でも日本語でも低くてゆっくりで、口数は少なくても、言葉の一つ一つが大事に発せられている気がする。
(原田郁子にも同じ空気を感じる。)
相槌も、相手の言ったことを包み込むよう。
情報の多さと速さが増し、論破や炎上がひしめき合う昨今、細野さんの声を聞いているだけで、大切なことを教えて貰えている気がする。
映像はなく、声だけが流れ、編集の少ないラジオって素晴らしいなと、ふと思った。

この映画の中に出てくるアメリカは、日本で生まれ育った自分にとって、正に絵に描いたような“映画の中の世界”で、とてもエキゾチックに感じた。
街並み、レストラン、ライブハウス。
いつか海外(出来ればアメリカかイギリス)の歴史のあるライブハウスで、ライブを観てみたいものだ。(知らないバンドでも構わないから。)
本当なら、60年代にタイムトラベルをして、フォークやカントリーのフェスティバルにも行ってみたいのだけど。

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