見出し画像

小論文演習/スポーツ・体育系学部(第8回)スポーツの持つ力/新型コロナウイルスと感染症

今回、解説する入試小論文過去問


①「スポーツによる環境問題」(150字以内、250字以内)

筑波大学体育専門学群前期2019年


②「感染症の予防と対策」(600字以内)

新潟大学医学部後期2014年


(1)はじめに

●地球環境問題の勉強法

地球環境問題は文系・理系を問わず、大学入試小論文の定番テーマです。
 この問題を勉強するときの注意点やどこに重点を置いて学習すればよいかを以下、簡単にまとめました。

①主な地球環境問題(地球温暖化、酸性雨、オゾン層破壊、森林破壊と種の絶滅については

1)原因,2)被害・影響,3)対策

をまとめる。

②地球環境問題は国境を越えて被害が広がる地球規模の問題である.したがって,国連を中心とした国際間の協力が必要となる.国連の主な会議の名前と内容、条約の理解&暗記に努める。

会議:国連人間環境会議、国連環境開発会議(地球サミット)、京都会議(気候変動枠組み条約第三回締約国会議/COP3)、気候変動枠組み条約第21回締約国会議(COP21)

条約:人間環境宣言、リオ宣言、気候変動枠組み条約、生物多様性条約、京都議定書、パリ協定、生物多様性条約、ラムサール条約、世界遺産条約

③地球環境問題に関連する用語の理解と暗記に努める。

知っておきたい用語:公害対策基本法、環境基本法、環境庁、環境省、排出権取引(排出権売買)、環境税(炭素税)、温室効果ガス、フロンガス、環境アセスメント、エコマーク、ISO14000、グリーン・コンシュマー、リサイクル、リユース、リデュース、デポジット、ナショナル・トラスト運動、 SDGs(持続可能な開発目標)

●スポーツ・体育学と地球環境問題

 スポーツ・体育と地球環境問題は一見、関係のないテーマのように思われがちです。
 しかし、大いに関係があるのです。
 大学入試小論文でこの問題が出題されたら、「スポーツの持つ力」で地球環境問題解決の糸口を見出していく、という発想で書くとよいです。
 この「スポーツの持つ力」というワードは非常に便利な言葉で、地球環境問題だけでなく、さまざまなテーマの結論部分で効果を発揮する力を持っています。

 たとえば以下の例。

・スポーツと国際協力:「スポーツの持つ力」で国と国、人と人とを結びつけて、難しい問題の解決の糸口になる。

・コミュニケーション論:コミュニケーションは言語だけではない。ボディランゲージはさまざまな局面で効力を持つ。このボディランゲージはスポーツで多く用いられる。あいさつなど言葉によるコミュニケーションの重要性は強調してもしすぎることはないが、スポーツの持つこのような力は閉塞した人間関係を打開する突破口になる可能性を秘めている。

・スポーツと被災者支援:東北楽天ゴールデンイーグルスが2013年9月26日、球団設立9年目で初優勝を決めた。「東日本大震災が球団を変えた」と言われる。被災者のためにスポーツで力になりたいという思いが選手を変えた。また、被災地の方々も楽天優勝に大きな力をもらったことだろいう。このように選手とファンの双方向に働く「スポーツの持つ力」は、被災地復興に向けた大きな方向性を私たちに示しているにちがいない。

 ただし、「スポーツの持つ力」をむやみに使えばいいというわけではありません。前の段落までで「スポーツの持つ力」を具体的に分析する必要があります。
 今回は、この「スポーツの持つ力」について、みなさんと一緒に考えていきましょう。

ここから先は

5,620字 / 5画像

¥ 1,000

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?