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「日本の医療水準と今後取り組むべき課題」奈良県立医科大学2017年

(1)問題


表1は,2013年(うち()内表記がある数字はその年のデータ)のOECD(経済協力開発機構)の統計を使って作成されたもので,表2は国立社会保障・人口問題研究所「人口統計資料集」からのものである。問1~3に答えなさい。

問1 表1は,医療提供体制における各国比較である。顕著にみられる日本の特徴について,100字以内で簡潔にまとめなさい。

問2 表2は,人口指標の国際比較である。この表から考えられる日本の問題点について,50字以内で指摘しなさい

問3 表1と表2から,日本の医療水準と,今後取り組むべき課題について.あなたの考えを600字以内で述べなさい。

問1


人口千人当たりの病院数が他の先進国に比べて多く、フランスの2倍、イギリス、アメリカ、スウエーデンの5倍以上ある。人口百万人あたりのM R IやCTスキャナーの台数も抜きんでて多く、他の先進国の2倍以上ある。(99字)


問2


5歳以上人口の割合が最も高く他の先進国に比べて少子高齢化が顕著である。(50字)


問3


 日本はこれからもさらなる高齢化が進展する。これに伴い病気や障害を持つ高齢者増え、患者数が急増すると予測される。


 このような事態に対応するには、医療資源の充実が喫緊の課題となる。人口千人あたりの病床数は他の先進国に比べ現状では遜色がない。またM R IやCTスキャナーなどの高度医療機器の普及も進んでいる。一方、人口千人当たりの医師・看護師数が未だ十分とは言えない。今後、人口減少も進むなか、高齢社会に対応して国民に十分な医療を提供するにあたり、ハード面ばかりでなく、これを運用するにあたり医療従事者といったソフト面での質・量の確保が求められる。


 高齢者にはがんや心疾患、脳血管疾患などの生活習慣病のり患者が多い。このような慢性疾患は重症化すると患者の苦痛が増すばかりか医療費や医療従事者にかかる負担も看過できない。こうした課題を改善するには、生活習慣病の早期発見、早期治療が必須となる。

以前、がんは不治の病と呼ばれていたが、近年がん患者の5年生存率は全部位・全病期で6 8 . 6 %となり、予後が改善されている。これもひとえに医療技術の進歩と医療従事者による日々の献身的な努力の結果である。将来、私が診療放射線技師になった暁には、健康診断やがん検診を通して、がんなどの生活習慣病の早期発見に努め、医療のさらなる向上に寄与することで、国民が豊かな高齢社会を迎える一助になることができれば幸いである。

(600字)

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