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【順天堂大学スポーツ健康学部推薦入試H26年】小論文過去問解答解説

(1)問題「子どもの体力向上」

【順天堂大学スポーツ健康学部推薦入学試験小論文問題】学科別推薦(平成26)_page-0001

(2)考え方

問1

 朝食の摂取状況・1日の睡眠時間と体力合計点の間に関係(原因と結果の関係)があると考えられる場合は「相関関係がみられる」、関係があるとみなせない場合は「相関関係がみられない」と書く。

 小学生と中学生を比較して、両者の違いを簡潔にまとめる。

問2

 問1の分析を踏まえて書く。小学生ですでに顕著な傾向が見られるので、学齢期前の対策から考える。

 学齢期(小学生・中学生)の対策としては、家庭と学校でできることを分けて書く。さらに地域でできることも考える。

 朝食の摂取状況と1日の睡眠時間との因果関係についても言及すること。睡眠不足(原因) ⇒ 朝食を摂らない、または摂れない(結果)という関係を押さえ、十分な睡眠確保についての対策に紙数を多く充てる。睡眠がとれない原因・理由についても考察すること。

 結論は保護者や教師の責任とこの問題に対する際の心構えや態度について書くとうまくまとめることができる。

食事する子ども

(3)解答例

問1

小学生では朝食の摂取状況・1日の睡眠時間と体力合計点との相関関係がみられ、中学生には、顕著な相関関係はみられない。(60字)

問2

 朝食の摂取状況や1日の睡眠時間が体力に及ぼす影響は小学生で顕著に見られる。したがって、幼稚園・保育園の早い時期から3食きちんと摂り、8時間以上の睡眠時間を確保できるよう家庭で生活習慣を身に着けさせる必要がある。

 学齢期の対策として、初めに家庭での躾や学校での指導について考える。保護者が子どもと一緒に朝食を摂る習慣を身につける。子どもの消灯時間を守らせ、早寝早起きを徹底させる。特に早い時間に起床することで、ゆっくりと余裕を持って朝食を摂る時間を持つことができる。学校では教師が児童の朝食摂取状況の把握に努め、保健師と連携しながら児童に朝食を摂るよう生活指導することが求められる。

 次に、睡眠不足が起床後に朝食を摂ることができない背景となることが考えられるので、良質で十分な睡眠時間確保のための対策を立てる。睡眠障害が原因の場合、早急に専門家の指導や治療を受けることが勧められる。子どもの夜遊びが原因の場合、自治会の夜間のパトロールで子どもの夜遊びを注意するなど、地域を挙げての取り組みも必要である。

 心身の発達の基礎となる児童期の大切な時期に食事や睡眠によって基礎体力をつけることが健全な青少年の育成につながる。これは保護者や教師の責務である。ときには厳しく、またときには食事の楽しさを子どもに伝え、緩急をもって接するよう心掛けたい。(597字)

順天堂大学過去問は、ほかに有料記事の

「小論文演習スポーツ・体育系学部(第2回)言語とコミュニケーション/運動部の指導者」

「小論文演習/スポーツ・体育系学部(第5回)オリンピックの意義と理念/オリンピックレガシー」

で解答例と解説を掲載しています。

以上、OK小論文塾長朝田隆(りゅう)でした。



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