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【志望理由書の書き方】国語の教師の言う通り書いちゃダメだ

(1)志望理由書の本当の書き方

志望理由書は現代の日本で何が問題となっているのか。

自分が志望する学部に関連する分野でいま、何が起こっていて、どんなところに課題があるのか。

この課題を解決するには、何をすればよいのか。

このような課題発見👉解決型の流れで書くものだ。

実際に今年改訂された新学習指導要領解説にも以下のように記されている。

教科等の目標や内容を見渡し、特に学習の基盤となる資質・能力(言語能力、情報活用能力、問題発見・解決能力等)や現代的な諸課題に対応して求められる資質・能力の育成のためには、教科等横断的な学習を充実する必要。

大学教育では、このような意識はすでに先取りされていて、慶應義塾大学総合政策学部や環境情報学部の入試小論文では、この前提の下に課題解決型の問題が出題されている。

こうしたわけで、推薦入試やAO入試の志望理由書や自己推薦書は課題解決型で書くことが求められている。

(2)教師や参考書の「志望理由書の書き方」では合格をもらえない

ところが、市販の「志望理由書の書き方」などの参考書では、上記の考えで書かれているものは少ない。

ましてや、学校や塾の指導もこうした認識を持つ教師は少なく、せいぜい「アドミッションポリシー」を参考に書きなさいぐらいの指導しか行われていないのが現状だ。

もとより、学校でも塾でも小論文は国語の教師が担当することが多い。

その流れで志望理由書も国語の教師が見るのだけれど。。。。

正直、あの人たちは、文章の「てにをは」は直せても、内容まではぜんぜん対応できないことが多い。

政治経済やテクノロジーの知識に疎いから、あの人たちの指導通り書いてもまったく勝負にならない。

たとえば、建築学部であれば、スマートシティやコルビジェの近代建築5原則は最低限知っておくべきだし、情報通信系の学部であれば5GやAIの概略は説明できなければいけない。

でも、あの人たちは、教科書や教科の入試問題に関する知識はあっても、今現在、日本や世界で何がどうなっているか、という最先端の情報に敏感でない。

どんどん世の中は変化していくなかで教科書の知識は古くなっていく。

だから、大学で学ぶ内容に踏み込んだこととなると、まったく太刀打ちできない。

もちろん、専門的なものは入学後に学ぶから、志望理由書で細かく書く必要はないけれど、現代の課題は何かという問題意識すら持ち合わせていないように見受けられる方が多く、これでは困る。

それは無理もない。

あの人たちは、学校では書類書きや会議などの雑用が多く、休日も部活指導で忙しく、自分の教科の準備すら満足にできない。

ましてや、自分の担当教科外の小論文指導まで責任を持たせるのも可哀そうと同情する部分も多い。

だから、予備校講師の私の仕事が増えて、ありがたいということにもなるのだが。

それでも、塾や予備校講師も小論文や志望理由書は国語の教師が担当するケースが多く、事情は同じ。

小論文を教える以上は文章のことだけでなく、もっと世の中のことを勉強してほしいと切に願う。

生徒にとっては、塾や学校の教師は身近な頼れる大人に見えるのだろうが、実際は狭い学校のことしか経験がなく、世間知らずの人が多いように見える。

(3)小論文や志望理由書を書くには何から始めればいいか

突き放したような書き方をしてこれを読んだ受験生に混乱を与えたようで申し訳ない。

それでは、塾や学校の教師があてにならないのなら、受験生は何をすればいいのか。

ズバリ、新聞を読みなさい。

この一言に尽きる。

新聞が身近な教師だ。

最近新聞を購読していない家庭が多いが、両親にお願いして、せめて受験の間だけ取るようにしてみたら、というアドバイスを最後にして、この稿を締めくくりたい。

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