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仕事もきょろきょろ(8)「NHK『発掘!』の篁牛人(たかむらぎゅうじん)気に入りました」

 12月5日NHKの「日曜美術館」で、「発掘!放浪の水墨画家 篁牛人」が放送されました。「発掘」もすごい表現ですが、さらに「!」もついています。一般新聞やNHKの見出しではあまり見かけることがない「!」です。余程の発掘なのでしょう、興味が湧きましたが、この時間帯はNHKの「日曜討論」と重なっていることもあり、我が家では「日曜美術館」は録画、「日曜討論」はラジオで聴くというパターンが定着しています。
 ということで、10時ごろからの遅い朝食時に「日曜美術館」を観ました。いや~凄い、気に入りました篁牛人。翌週早速、篁牛人展(1/10まで)を開催している大倉集古館に行きました。大作の迫力と大胆かつ繊細な生きものの表現に生の慈しみを感じました。
https://www.shukokan.org/Portals/0/images/exhibition/history/2021/20211102_takamura_flyer.pdf
 
 牛人の年譜によりますと、「その画業は美術評論家の河北倫明氏に高く評価され、1981年には京都国立近代美術館で開催された『異色の水墨画家』展の出品作家に選出。ようやく世に知られることになった」と紹介されています。
 その後、1985年(昭和60年)に支援者の森田和夫氏から富山市に作品252件が寄贈され、1989年(平成元年)には富山市篁牛人記念美術館が設立されました。しかしながらまだまだ作品が世に知られていなかったので、今回NHKが「発掘!」と言いたかったのだろうと思います。全国放送の力を自慢しているようにも感じましたが、発掘は大歓迎です。

 そういえば似たようなことがありました。1984年(昭和59年)12月に放送された「黒潮の画譜 異端の画家 田中一村」もNHK日曜美術館の発掘でした。一村も牛人も死んでから高い評価を受けました。

 二人から教えられるのは、自分の信ずる道を貫くことでしょうか、そしてその意志を支える理解者の存在もあるように思います。一村には実の姉、牛人には医師の森田和夫氏という、その才能を信じた支援者がいたことが大きかったと思うのです。

2021/12/27 Facebook掲載

このコラムは、(株)文伸が運営する自費出版専門工房「ことこと舎」Facebookページからの転載です。

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