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「高橋都哉」について

現在、文教の杜ながいでは「高橋都哉展」を開催中です。
今回は「高橋都哉」どなた?と思っている方々のために、「高橋都哉」をご紹介させていただきます。

高橋都哉(たかはしくにや)

長井市西根に生まれた高橋都哉(たかはしくにや)

日本画家である高橋都哉(1893~1965)は、長井市西根地区草岡の農家に生まれました。幼少のころから絵を描くことを好み、やがて画業を志し、19歳の時に家に無断で上京。叔母を頼り、近隣に住んでいた木島柳鷗に出会います。すぐに連れ戻されますが、百姓仕事を続けながら絵を送り、指導を受けることになりました。

そうして修練を積み27歳になった都哉は、周囲の応援を受けて上京し、柳鷗の内弟子として入門。翌年には中央美術社展に入選します。その後、柳鷗から「もう教えることは無い」と言われ、かねてより崇拝していた小林古径の内弟子となります。後年、その9年間を「自分の生涯のうち最も充実した9年間であった」と述懐したといいます。兄弟子の奥村土牛とは、生涯にわたり親しい友人となりました。

それから院展に入選を重ね院友となり、私生活では結婚し子供も生まれ充実した日々を過ごした都哉でしたが、戦時下にあって妻と子供を郷里草岡に疎開させることになり、自身は東京に残り制作を続けます。

このころは雅号を「国家」とし、本展出品作の「鷲」は空襲の危険の中で鉄兜をかぶって制作したとの逸話も残されています。

そして終戦直後の52歳の折、自身も郷里に帰郷します。一時的なものとなるはずでしたが、食糧難や世相不安が続く中でそのまま郷土に根を下ろし、画業で家を支える生活が始まりました。苦しい日々の中で、山形県総合美術展を中心に発表。中央画壇から離れて地道な制作を続けました。その一貫した、柔らかくも細やかで妥協のない筆致からは、穏やかで実直な人間性がうかがえます。

《高橋都哉展》
✔︎開催日:2022年7月6日(水)〜8月7日(日)
✔︎時間:10:00~17:00(入場は16:30まで)
✔︎休館日:月曜日、7月19日(火)※7月18日(月)は、通常開館
✔︎会場:丸大扇屋・母屋
✔︎料金:無料


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