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「生物を観察して、本を選ぶ」水族館の中の本屋さんWONDER BOOKSといっしょ編 その2

ともだちとのおしゃべりをきろくしてみる
水族館の中の本屋さんWONDER BOOKSといっしょ編 その2

「生物を観察して、本を選ぶ」


水族館の中にある本屋さん、WONDER BOOKSの選書は摩訶不思議。魚のようで魚でない。でも魚につながっていく本たち。WONDER BOOKSのウミさんと、文喫 六本木のハマさん、シマダさんがどうやって本を選んでいったのか。本を選ぶために最初にしたことはなんと、生物を観察すること。一体どうしてそんなことに?今回は選書の秘密に迫ります。

ハマ シュパッ、すわーん、ずわあ、ザクザク、ブワー。
ウミ なにごと?
ハマ 選書でオノマトペについて考えていた時の記憶が蘇ってきて。
ウミ いい傾向だね。
ヤマダ WONDER BOOKSの選書で、今回はオノマトペからみんなで本を選んでますよね。どうしてそんなことになったんですか?
ハマ AOAO SAPPOROの名前の由来もオノマトペっぽかったですよね。
ウミ そうそう。赤ちゃんが最初に言葉を話すとき、「アー」と「オー」は話せるよねっていうところからAOAOになりました。
シマダ 海の青かと思った。
ウミ 結果、色の青ともつながりましたね。そしてAOAO SAPPOROの中にあるLIBRARY AQUARIUMでは、「にょろ」、「もさもさ」、「ぺったんこ」って魚の形をオノマトペで表して展示しているんです。でもWONDER BOOKSでは、形のオノマトペだけじゃないところまで広げたいよねって思って。
シマダ 水族館の中の本屋さんだけど、魚の本に絞りたいわけではないってウミさんが話してくれて、いいなって思った。でも全然関係ない本をいきなりポンって置いても伝わらない。じゃあ、つながってないけどつながっているように見えるようにしたいよねって。
ハマ その方法が、魚を見た時の印象をオノマトペにしてみようというところ。
ウミ 生物の観察ですね。
ヤマダ 本を選ぶのに生物の観察から始まることってあるんだ。
シマダ まずは観察しようってウミさんが生物の動画を送ってくれて。
ハマ ウミシダだ!
シマダ なんかもう踊り歩いてた。
ヤマダ ウミシダ、めったに動かないのによく撮れましたね。
ウミ AOAO SAPPORO開業したばかりの時は結構動いていたのよ。
シマダ 踊り歩いてるな、この子!って思ったけど、動かないんだ。
ハマ 動かないのがデフォルトなんですよね。
ウミ 基本、あんまり動かないです、うん。
ヤマダ ウミシダ、知らない人が見たら動かないから植物だと思うんじゃないかな。
シマダ 検索してみた時も割と動いてる動画が多かったから、あいつらは常にワシャワシャ動いてるかと思ってました。
ハマ そんな感じでウミさんから動画が送られてきて、観察して。
ウミ そこからはみんなで思い浮かぶままにどんどんオノマトペを書き出していく作業。
シマダ 出てくるオノマトペに対して「これは違う」とかそういう話もなく、とにかく並べていって突き進んだ感じ。
ウミ これは違うとかは、ないです。
シマダ 全くなかった。
ウミ うん、ゼロ。
ヤマダ いいですね。生物を観察した印象を自分で思ったまま記録する。
ハマ 今回、ウミさんから動画送ってもらった生物、もうほんと一匹も見たことがないくらいでした。
シマダ これ、あの、キラキラしてるやつ、でも名前はわからない!みたいな。
ハマ カブトガニくらいしかわからなかったですね。
シマダ しかもカブトムシって書いてた。
ハマ そんなレベルだったんですけど、本当に生物の予備知識も全くない状態から動画で観察して。質感こんな感じだよねーとか、こんな動きしてるねーってしゃべりながらオノマトペを挙げていきましたね。間違ってたらウミさんが最後に添削してくれるだろうと思って気楽に。と思ってたんですけど、もう完全に放し飼いにしてくれてました。
ウミ ともだちに添削はしない。感じたことを尊重したいなって。
ヤマダ このプロセスおもしろいですよね。見たことも聞いたこともない生物の動画を見て、想像して、オノマトペに置き換えていく。
ハマ そう、楽しかった。楽しかったんですけど、オノマトペを出しながら段々不安が膨らんできて。オノマトペからどうやって本を選ぶんだろうと。
ヤマダ ごもっともすぎる。
ハマ じわじわ自分の首が締まってきてるなって感じてました。
シマダ 本当にそうだった。本当に。パラリラパラリラってなんだよ、みたいな。
ウミ ごめんなさい、それ書いたのわたし。
シマダ パラリラってもう暴走族しか思い浮かばなくて。
ヤマダ パラリラって使うシチュエーションひとつしかないですもんね。
ウミ ウミシダってちょっとやんちゃなイメージがあるんですよ。ツンツンしてて、いろんな色してて、AOAO SAPPOROには赤いウミシダも暮らしている。
ヤマダ それはもうパラリラだ。
ハマ 今回はもうどん底のどん底まで悩みながら本を選んでましたね。
シマダ 膨大なオノマトペのリスト見て、なんでオノマトペで本を選ぶって言っちゃったんだろうって。
ウミ 最初は自分が生物の隣に本を置く時のリストも送ろうかなって一瞬頭をよぎったんですよ。でもせっかく一緒にやるんだからプロセスも結果もわたしの色にならないのがいいなって思って送りませんでした。
シマダ うわあ、そのヒントくださいよ!(笑)
ハマ めちゃくちゃ悩んでましたからね。これは誰にも言ってないですけど、家のテレビの大画面でずっとハタタテハゼの動画観てましたよ。1週間ずっと。今まででいちばん遠回りな本の選び方をしていた。
ウミ やばい。でも、そういうことして欲しかった。予備知識がない状態でぐるぐるして欲しかった。
ハマ ほんとうぐるぐるしましたねー。オノマトペ選書、どうなっちゃうんだろう?
ヤマダ 楽しみになってきた。

次回は選書編その2ということで、オノマトペから本を選ぶステップに踏み込んでいきます。見てね!