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「こんにちはWONDER BOOKS」水族館の中の本屋さんWONDER BOOKSといっしょ編 その1

ともだちとのおしゃべりをきろくしてみる
水族館の中の本屋さんWONDER BOOKSといっしょ編 その1

「こんにちはWONDER BOOKS」


7月2日、札幌の都市型水族館「AOAO SAPPORO」の中に、好奇心の本箱「WONDER BOOKS」がオープンした。おそらく日本初の、水族館にある本屋。“本屋の立場から、生物の魅力を発信する”ことをコンセプトに掲げたWONDER BOOKS。実は準備段階から本と出会うための本屋「文喫 六本木」と本の取次「日販」のメンバーが一緒に妄想を膨らませてきた。WONDER BOOKSの魅力を準備メンバーのトークから迫る、ともだちみたいなおしゃべりはじまります。


ウミ
 こんにちは、WONDER BOOKSのウミです。
ハマ 文喫 六本木のハマです。なんですかね、これは。
ウミ これはですね、AOAO SAPPOROという札幌にある都市型水族館の中に、7月2日、WONDER BOOKSという本屋ができたんですが、本屋を作るにあたって文喫 六本木のハマさんシマダさん、そして日販のヤマダさんと、いろいろと壁打ちというか妄想を交換していまして。
ハマ もともとは文喫 六本木での企画展とかで一緒にしてたんですよね。そこからオープニング企画展も一緒にやろうよみたいな話に。
ウミ 本屋をつくる動きを一緒に。
ハマ でもそんなに、お互いともだちみたいな。
ウミ 一緒にやってます!くらいの。
ハマ そんなわけで、一緒にゆるく考えながら形にしていったプロセスをおしゃべりしていければと思っています。
ウミ よろしくね、ハマちゃん。
ヤマダ ところでですね!
ウミ びっくりした。ヤマダはいきなり出てくるから。
シマダ 読んでる人にはわからないからね。
ハマ シマダさんもですよ。文喫 六本木のシマダさんと、日販のヤマダさんです。
ヤマダ みんなずっといますよ。さて、WONDER BOOKSってどういう本屋なんですか?
ウミ 札幌にある都市型水族館「AOAO SAPPORO」の中にできた、おそらく日本初の、水族館にある本屋です。
シマダ AOAO SAPPOROめっちゃよかったです。生物の不思議な生態が伝わってくる。
ウミ そう、オープン準備で来てくれたんだよね。AOAO SAPPOROのコンセプトは、“生命のワンダー みえないものがみえてくる”。スタッフにもお客様にも、じっくりと魚を観察する時間を過ごして欲しいなと思ってます。
ハマ 「観察」は今回の本を選ぶプロセスでも大切なテーマでしたね。
ウミ それはおいおい話すとして、WONDER BOOKSには、「生物を通じて本に出会う」っていう大きなテーマがあります。もともと「LIBRARY AQUARIUM(観察と発見の部屋)」っていうエリアがAOAO SAPPOROにはありまして、生物が住んでいる水槽の隣に本を置いてます。
ヤマダ あそこの本好きだな。
ウミ ありがとう!どうやって選んでるかというと、生物の姿かたち、学名、言い伝えだったり、色だったり、生物をめぐるさまざまな要素から連想をつないでます。
シマダ 必ずしも直接魚と関連する本だけでないところが好き。こんな本の選び方があるのかって目から鱗でした。
ハマ 魚だけに?
ウミ ぱっと見ただけでは、魚の本だとわからない。偶然というか変な感じ、違和感を楽しんでもらえると嬉しいなって思ってます。魚を見ながら魚じゃないことを考えてもいいんだよって。余白のある観察をしてもらいたくて、あえてこういう本の選び方をしています。
ヤマダ そんなLIBRARY AQUARIUMのスピンオフ的な本屋を作ろうっていうのが、まずは根本にありましたよね。それがWONDER BOOKS!
ウミ そうそう。WONDER BOOKSのテーマは“生物を通じて本と出会う”ということ。
シマダ おもしろそう!
ウミ わたしは、生物を観察しないと湧き上がらない感情があるってずっと思ってるんですよ。生物と対面したときに、自分の中になかった感情とか、ボキャブラリーが流れ込んでくる。偶然に、予期せず、この本と出会ってしまったみたいなことを、生物がアシストしてくれるようなイメージ。
ハマ 生物が本と出会わせてくれる、おもしろい。これはシマダさんにも話聴きたいですね。
シマダ なになに?
ハマ あの、シマダさん、途中でビール取りに行っちゃって。
ウミ 大事大事。
ハマ こんな話していいのかな。
ウミ いいのいいの。
シマダ 生物を観察して湧き上がった感情が何なのかっていうのが、生物を見ている段階で、まだ具体的に言葉に浮かばないかもしれないって思っていて。
ハマ 突然追いついてきた。
シマダ 今回意識したのは、観察する人が、見たままの印象をどうにか形にして、自分の中でちゃんと落としどころを見つけられる流れをつくりたいなって思ってた。
ウミ うんうん。まず生物を見た瞬間の漠然とした感情が沸き上がってくるよね。
シマダ そう、その漠然とした感情を、本の力でちょっとだけ具体的に捕まえられるようになればいい。
ヤマダ AOAO SAPPOROの展示でおもしろいなあと思うのが、生物が本を知る入り口になって、本がまた生物を知る入り口になる。相互作用が生まれている。自分自身、自然の中でフィールドワークするときにも同じような感覚があるんです。フィールドの中で本を読み、本を読むことでフィールドでの体験が深まるみたいな。
ウミ 大自然だね。
ヤマダ 自然の中で味わっていたその感覚がビルの中の都市型水族館で味わえる。本と自然の循環が生まれるのがほんとうにおもしろい!
ウミ AOAO SAPPOROの“みえないものがみえてくる”っていうテーマを、生物と本の力を借りて増幅していきたい。
シマダ 見えるって認識するっていうこと。自分の中で具体的な手触りを持つのが認識で、言葉は自分の中にあるだけで、外に出さなくても具体化できる。本はそれを支えてくれるんじゃないかな。水族館でそんなことができると楽しい。ちょっと、でかいこと言っちゃったかな。
ウミ ともだちの間ではどんだけでかいこと言ってもいいんだからね。
シマダ ね、嬉しい。

次回はWONDER BOOKSの選書の秘密に迫ります。お楽しみに!