見出し画像

浜辺にグッとくる

これまでと話題が変わるんですけども、わたくし移住したいんです。それも、海辺の街に。

今日、娘を連れて神奈川県の三浦海岸に行ってきたんです。発作的に海を見たくなって。有名な河津桜が見頃で空も快晴で、もうハンパなく観光客が多くて、いやもうほんと疲れたんだけど。行きたかったお寿司屋さん、129組待ちだったよ。おかしくない? 桜とマグロへの日本人の執念、ヤバ過ぎるよ。

いきなり話逸れたけどそれはどうでもよくて。幸いにして海岸はそんなに混んでなくて、犬の散歩をしてる家族がいたり、なんかちっちゃいテント建ててご飯食べてる外国人グループがいたり、子どもたちがグジャグジャ遊んでたり、人々がいろんなことをやっているわけです。こういう海辺のシチュエーションがなぜかほんとに好きで。なんでか惹かれるんですよね。だから仕事がツラいとすぐ海行っちゃう。

原体験ぽいことがあって。社会人1年目の秋、シルバーウィークの連休に1人でベトナムに息抜きに行ったんです。ハノイからホーチミンまで、安い宿に泊まりながら電車で北上するっていう学生みたいな旅。その時、ニャチャンっていうビーチリゾートの街があって、数日過ごしたんだけど、そこで似た光景を見ていたんです。

9月のベトナム、むちゃくちゃ暑くて、日中はもう外立ってられない位なんですよね。だから昼間は街がスカスカで誰もいないんだけど、夕方日が陰ってちょっと涼しくなってくると、町中から人がぞろぞろビーチにやってきて集まるんです。集まって別に何をするって言うわけじゃないんだけど、なんかぐだぐだしゃべったり、お茶飲んだり、子供たちは鬼ごっこしたり。昼間暑いからその分夕方に交流してるんだね。そんでかなり遅くまでいる。それが毎日あった。もはやそういうライフスタイルが確立してた。

この「ビーチで集まって親しい人たちと過ごす」っていうことが日常の大事なシーンになっている感じ。それがすごく自分にとって新鮮だったんです。自分は父親が千葉の小さな海辺の町出身だったので、その影響でそれまでも海は好きだったんだけど、あくまで夏にちょっと非日常を味わいに来る場所って言う感じだった。それがベトナムでは全く逆で、ほんとに日常の中に海が組み込まれている。リゾート地ではあるけれど、まさに自然と共にある生活。そういう感じがなんかすごくいいなと思ったんですよね。

これベトナムだけじゃなくて、ハワイに行った時にもそういうエリア(ビーチ)を見つけた。日没直前に地元の子たちがみんなビーチに集まって、今どきラジカセから音楽流しながら踊ったりサッカーしたりしてる。小さい子から大きな子まで集まってて、小さい子もいるからかお母さんらしき人たちもそばにいておしゃべりしてて。

ピーチカルチャーって言うんだろうかこういうの。そういう文化が根付いている地域に一度住んでみたいし、こういう海と生活の関わり方が文化として世界中にいろいろあるならば、比較研究とかしてみたい。そういう視点で研究している文化人類学者っていないのかな。

海が近いからといって、すべての場所がそういう風になるわけじゃないと思うんだよな。実はこの2年位、割と本気で移住したくて、湘南エリアを中心にいろいろ回ってるんだけど、湘南エリアってどこも海があるんだけど、やっぱり微妙にカルチャーが違うんだよね。鎌倉とか鵠沼のあたりはまさにベトナムみたいな独特のビーチカルチャーがある気がする。でもそこから西の方へ行くに連れて、なんとなくビーチカルチャーって言うよりはヤンキーカルチャーの雰囲気があって(サーファーと漁師が喧嘩してるのをが目撃したりした)、さらに西に進んだ小田原あたりは砂浜がほとんどなくて、そのせいで日常的にたくさんの人が集まってる海岸はほとんどない。そういう違いを比べて見るだけでも、個人的にはすごく面白い。

おわりだよ。
いまこの記事のトップの画像をnoteの「みんなの画像」で探してたら、まさに「ニャチャンの夕方」の写真があってびっくり。お借りしました。

次回予告:やたらと本を買ってるけど、今度はその名も「文化人類学入門」という古い本を買いまして、1979年の本だからさすがに古くてイマイチかなと思ったらすごく丁寧に作られた素晴らしい入門書だったので、それについて書きたい。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?