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掛川花鳥園スタッフのゆるゆる自由研究 【鳥って脱皮するんですか!?】
花と鳥とのふれあいが楽しめるテーマパーク、掛川花鳥園のスタッフによる、園内の鳥たちのディープな情報や楽しい実験をスタッフブログから集めたよりぬき連載。今回は鳥の「脱皮」をご紹介!
アニちゃんの皮?
2020年12月のある日。猛禽スタッフの伝言看板に貼られていたものがこれだ。
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アニちゃんの皮。
![](https://assets.st-note.com/img/1702463700524-jTq3MIMH0k.jpg)
アニは、レッドテールホーク(和名はアカオノスリ)の名前。その足から取れたもののようです。無理やり剥がしたのではなく、自然にポロッと落ちていたそう。
袋から出したものがこれ。
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![](https://assets.st-note.com/img/1702463664156-KikQQss9bj.jpg)
ちょっと芋虫みたいにも見えるこの部分、名称はずばり「脚鱗(きゃくりん)」といって、見た目や触った感触は完全に鱗のようです。カサカサしていました。
この鱗は主に「ケラチン」でできていて、羽毛と同じ成分です。
ほかの鳥も脚鱗が剥がれたことがあるというので見せてもらいましょう。
ハシビロコウ「ふたば」の脚鱗
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鱗の形が違います。ハシビロコウの足鱗はヘビの表側の細かい鱗が並んでいるところに似ていますが、アニはヘビのお腹側の鱗のような、大きな鱗の並びがありました。
アニの脚鱗が剥がれたのはこのあたり。大きな鱗が見えます。
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アニの足は、ふわふわの毛に覆われている部分が多いです。
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ハシビロコウの細長い足は羽毛の部分がアニと比べて少ないです。おそらく、まっすぐな部分の脚鱗が剥がれたのでしょう。アニはそもそも同じ形の鱗がついている部分がないのです。
鳥の足のひみつ
フクロウの仲間のうち、ネズミなどを狩る種の足はふわふわの毛で覆われています。これは、捉えたネズミなどの獲物の反撃から足を守るためといわれています。
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レッドテールホークも足で野うさぎなどを狙う鳥なので、防御のためにふわふわ羽毛で覆われる部分が多いのかもしれません。一方、ハシビロコウは水辺に佇み、獲物の魚がやってきたら嘴でとらえる狩りのスタイルです。そのスタイルだと、足が毛で覆われていると水に濡れてしまいますし、噛みついてくる獲物も少ないので、毛で覆わないのでしょう。
よーく見ると楽しい鳥の足。ぜひ、いろいろな鳥の足の鱗も見比べてみてください!
バードウォッチング専門誌BIRDERでは,2021年4月〜2023年12月号まで,「掛川花鳥園出張ガイド」を連載していました。電子版などのバックナンバーで読むことも可能なのです。公式ホームページの総目録でどんな鳥が主役になっていたかわかるので、ぜひ推し鳥の号を探してみてください。
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