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掛川花鳥園スタッフのゆるゆる自由研究 【青い天使の恋?】


花と鳥とのふれあいが楽しめるテーマパーク、掛川花鳥園のスタッフによる、園内の鳥たちのディープな情報や楽しい実験をスタッフブログから集めたよりぬき連載。今回はかわいさ抜群の「ツキノワテリムク」をご紹介!

ツキノワテリムクってどんな鳥?

ツキノワテリムクは感じで書くと月輪照椋。胸に月の輪がありますね。「照」は美しい青い羽から名前でしょう。ムクドリ(椋鳥)の仲間ですが、日本に野生では暮らしていません。アフリカのエリトリアやタンザニア、ケニアなどに暮らしている鳥で、都市や庭などにも訪れる、現地では身近な鳥のようです。日本のムクドリと似たようなポジションでしょうか。まずはツキノワテリムクの魅力から紹介しましょう。

まんまるむちむちボディ
ふわふわもふもふ
光の加減で照り輝く青い羽
お尻に白いパンツを履いています
うるうるした黒目がちもかわいいけれど、点のような目もかわいい

美しい羽に、ちょっと鋭い眼光もご愛嬌。虹彩が白いため、びっくりしているような目に見えます。インコのような人なれはせず、ちょっと生意気な感じも一部のスタッフをメロメロにしています。
3月は、そんなツキノワテリムクの恋の季節です。

あるツキノワテリムクの巣作り

2020年の3月、あるツキノワテリムクが愛の巣を作りました。

新居

この看板と金網の間に巣を作ったのです。
営巣に励むツキノワテリムクは、園内に落ちている巣材になりそうなものを探し回っては巣に持ち込みます。

「植物のなんか…枯れたやつ!!」
「左見て」
「右見て」
「ついでに後ろも見て」
「っよし!誰にも見られてないっ!」

いや、見てます。
人に見られているのを知ってか知らずか、巣材を看板の後ろにいそいそと運びます。

いそいそ
「まだまだ足らぬ…」

家主が再び巣材を探す間に、巣を覗いてみました。

金網が膨らんでる!

中身もちょっとだけ調べさせてもらいました。

だいたい90% 鳥の羽、10% 葉っぱのようです。
写真に写っているもの以外にも色々ありましたが、だいたいイワシャコ、キンケイ、シロクジャクの羽をメインに集めているようです。そして異様に長い左側の白い羽は……

シロクジャクの上尾筒…!!!
こんなに大きな羽も巣材にしちゃいます!

調査のために借りた羽も、しっかり回収していきました。
ちなみに、なぜかこのツキノワテリムク、お相手がいないのに営巣だけ力を入れていたので、愛の巣に卵の誕生はありませんでした

ちなみに、別の年に作られた古巣はこちら。(鳥の巣は子育てのためだけの場所なので、ずっとそこで眠ったりはしないので、終わったら撤去して調べることができます)

たっぷり

また別の巣ですが、こざっぱりとした巣で繁殖したことがあります。
巣の豪華さはモテに関係ないのでしょうか?

卵も青い!

そんなお茶目なツキノワテリムクたちにぜひ会いに来てくださいね。

ぴょーん
おやつをくわえたところ


https://k-hana-tori.com/

https://birder.jp/

バードウォッチング専門誌BIRDERでは,2021年4月〜2023年12月号まで,「掛川花鳥園出張ガイド」を連載していました。電子版などのバックナンバーで読むことも可能なのです。公式ホームページの総目録でどんな鳥が主役になっていたかわかるので、ぜひ推し鳥の号を探してみてください。

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