掛川花鳥園スタッフのゆるゆる自由研究 【酷暑を水浴びで吹き飛ばせ!】
花と鳥とのふれあいが楽しめるテーマパーク、掛川花鳥園のスタッフによる、園内の鳥たちのディープな情報や楽しい実験をスタッフブログから集めたよりぬき連載。今回は「水浴び」に注目!
どうして水浴びするの?
野鳥も飼い鳥も共通して行うのが「水浴び」。まずはもふもふのフクロウたちの水浴びビフォーアフターを見てみましょう。
ユーラシアワシミミズクのひまりの水浴びビフォーアフター
オオコノハズクの水浴び動画もあります。
なぜ水浴びをするの?
野生では『羽が汚れていて飛べず、敵から襲われる』と、死に直結しかねません。また、直接の死因にならなくても、寄生虫や病気の原因になることがあり、それも命を脅かすものになりかねません。
埃や、余分な脂粉(粉綿羽という羽が崩れた粉など)といった汚れを落とさないと、換羽(羽の生え変わり)に影響が出ることもあり、健康な羽が作れなくなることも。健康維持のために大切な行動で,水浴びができないと病気になる場合もあります。また,水浴びという「高い体温を維持することと逆の行為」をしている訳ですから、健康の鳥でないとできない行動の一つです。
水浴びは健康状態を判断するものの一つとしてバードスタッフは観察をしています。
そんな水浴びはいろいろスタイルがありますが,水たまりに入り,翼を大きく動かして,豪快に水浴びをする種が多いです。
水たまりに入らないものだと,コガネメキシコインコは,スタッフが噴射する霧吹きに集まってきて水浴びします。
体の大きなエミューはシャワーをかけてもらいます。
こうしたシャワーはスタッフが行います。お客さんが水をかけると驚いてしまうので、スタッフにお任せください。
ハトの仲間たちは上品に入浴スタイル。
クジャクバトもタンブラーピジョンも,いわゆるドバト(カワラバト)から観賞用に作り出された品種です。
水浴びは上品で、ちゃぷんと水に浸かるようにして入っています。
駅や公園で見かける原種のカワラバトがどんなふうに水浴びをしているのか、見比べてみるのも楽しそうです。
水浴びの好き嫌いは個体によっても差が出ます。ハシビロコウの水浴びは大きな体を水につけて翼を膨らませて見応え抜群なのですが、当園のふたばは水浴びはあまり好きではないので,なかなか見られません。
そんなふたばの貴重な水浴び動画はこちら!
逆に、水浴びが大好きなのはクラハシコウのモロさんで、特に暑い日はシャワーを出すとすぐに寄ってきます。
ハシビロコウ(嘴広鸛)とクラハシコウ(鞍嘴鸛)。どちらもコウノトリ科で嘴が特徴的です。
クラハシコウは嘴についた鞍のような部分が名前の由来です。同じコウノトリ科でも,水浴びの好き嫌いは大きく分かれます。
砂浴びもする
水以外に浴びるものでは、砂浴びもあります。キジの仲間は砂浴びが大好きです。
砂浴びも水浴びと同じように、汚れを落とすための行動です。スズメもよくしていますよ。
砂浴び場があるのになぜかごはんで砂浴びをするイワシャコ。
ほかに、カラスは蟻を体に擦り付ける蟻浴(ぎよく)をしたり,銭湯がたくさんあった時代には煙を浴びる煙浴(えんよく)をするなど、さまざまな方法で体の汚れを落として健康を維持しています。
酷暑が続きますが、人間も水浴びをしたり適度に涼しくして健康に過ごしましょう。
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バードウォッチング専門誌BIRDERでは,2021年4月〜2023年12月号まで,「掛川花鳥園出張ガイド」を連載していました。電子版などのバックナンバーで読むことも可能なのです。公式ホームページの総目録でどんな鳥が主役になっていたかわかるので、ぜひ推し鳥の号を探してみてください。
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