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『動物が好き』を細分化(私調べ)

動物が好きである。
犬も猫もハムスターもうさぎもイグアナもイタチも文鳥もマレーバクもシマウマも好きだ。
おおよそ、初対面の動物に対しては、「やだ~もうカ~ワ~イ~イ~」という
試着室から出てきた客に対する、服屋の店員位の語彙力になる程好きだ。

子供の頃には、人気ペット上位に入る生き物は大体飼育してきた。
飼えない状況になった現在は、飼育指南書を読みふけり、飼育している人の日記や写真をドンドコ閲覧し、

『もうわが子が可愛くって可愛くって仕方ない!』

という、会った事も無い人とペットとのラブラブブログを眺め、嫉妬し、羨望し、渇望する。
それ位には好きである。

西に猫を自慢する人が居れば
「抜けた毛を集めてフェルトボールにすると大喜びするって本当ですか!?」
と聞き、「飼ってないのになんでそんな事知ってるの?」と言われ、
東にイグアナを飼育している人の噂を聞けば
「温度管理と野菜の調達が大変らしいって聞いた事があるんですが~」と質問する。
ちなみに猫は十七年近く飼っていないし、イグアナに至っては飼育の経験すらない。

キリンも飼いたい、馬主にもなりたい、コツメカワウソとペンギン、ゴマフアザラシも興味深々だ。
好きジャンルの幅をもう少し広げると、リクガメ、トカゲ、カナヘビ、
カブトムシ、クワガタムシ、蝶々、その子供の青虫も可愛いと思う。
しかしこのあたりになると、好きと主張すると若干引き気味にされ始める。

生き物を好き、と言う人と、嫌い、苦手、と言う人は、会話の内容が随分と変わる。

生き物が好きで、現在飼育している人との会話はとても気が楽である。

どこが可愛くて何が大変でどんな面白いリアクションを見せてくれたか、その話を聞かせてもらえるだけで1時間でも2時間でもいくらでも話が聞ける。
合間合間に写真の一枚でも見せて貰えればこちらのテンションはうなぎのぼり、会話の最中にご本人(ペット)が登場してくれればもう欣喜雀躍、
ひと撫ででもさせてもらえれば、
「今日の握手会の○○ちゃん可愛かった~」位の、もはやこちらが
CDを購入して会いに行ったファンのような気持ちで帰宅できる。

対し、生き物が苦手だと言う人との会話は少し変わってくる。
「苦手」と言う人に対しては「こういう所が嫌いなんですか?」と聞く。
すると「いや、こういう感じが苦手」という具体例が上がってくる。
なるほど、人によってはここが無理! と感じる人もいるんだな、と、
動物に対する認識を改める事が出来る。

しかし、動物が『嫌いだ』と主張する人との会話は辛い。
基本的に生き物が大好きな自分としては、
「あーたしかにそこってそういう所あるよねー」と口に出してはいるし、
共感できなくもないのだが、心はキリスト教徒の踏み絵気分だ。

逆に私は「何が好き?」と聞かれた時、答えにつまる事がある。
「何でも好きです、広く言えば昆虫も可愛いです」と言うと、相手は変な顔をする。
昆虫は可愛いと思う項目に入っていないらしく、
特に虫嫌いに「子供の頃はキャベツに付いている青虫を手に乗せてました」
「アゲハの幼虫のためにパセリを植えていました」と言うと、ギョエーという声が出てくる。

私にとっての可愛い、好き、の定義は何か。

動物が好きな人に、何の生き物が苦手か聞いた所、
虫は圧倒的なのだが、爬虫類や両生類、人によってはイルカが苦手だという話を聞いた。
イルカの何が苦手なのかを聞くと、「あのゴムのような質感が駄目」なのだそうだ。
具体例を挙げて、苦手な生き物の苦手部分を詳しく聞けた、貴重な体験である。

数少ないリサーチで私が思うに、「質感」は大事なのではないだろうかと思う。
猫や犬はふんわりしているが、虫や爬虫類はしていない(しているのも居るが)。

意思の疎通が取れそうな顔面をしているというのも、重要ではなかろうか。


私はアクアリウムを見るのが好きだが、自分でやってみた事は無い。
水と水槽が間に挟まった状態で生き物と一緒に暮らすのが嫌なのだ。
「おいこっちで一緒にお菓子でも食おうぜ」と、ヤマトヌマエビやランチュウ、ピラルクーをクッションに乗せて映画を見ようとすると、予告が終わる前に彼らは絶命してしまう。
またカクレクマノミや出目金に「こっちで一緒に水槽の泡とか、定期的に蓋が開く宝箱で遊ぼうぜ」と呼ばれたとしても、
私は酸素マスクやガラスのヘルメットを付けて出向かわなければいけないのが辛いのだ。
そういった所が悲しくて、アクアリウムを始めようという気になれない。

青虫との意思の疎通は図れないが、彼らの食事風景は和むものがある。
キャベツの葉と同じ色をして、自分の体と同じ色の葉を食べている所が愉快である。
「生きる為に、この食事に全力をかける」と言う、DNAに刻み込まれた固い決意とは裏腹に、もっくもっくと頭を振りながらキャベツを食べる姿は、幼子の食事と同じでSo cute! である。
このような主張をすると、「動物は好きだが虫は苦手」と言う人から、おぞましいものを見るような目を向けられるので、ここまでハッキリ明言したことはない。

しかし私も、すべての虫が得意なわけではない。
ためしに何が得意で何が苦手だろうか、調べてみるためにインターネットを駆使し、

「虫 嫌い」

で画像の検索をした所、条件反射でパソコンを閉じてしまった。
おぞましいものを見るような目で私を見た人たちの気持ちが分かる、貴重な体験であった。

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